土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
今日はスーツに使われる生地のことについて。
スーツ離れという言葉が定着している時代です。
巷のスーツ屋さんは売れなさ過ぎて、在庫がダブついちゃって、春夏秋冬いつでも同じスーツを売るしかない状況になってます。
そうなると困るの買う人です。
購入した時期によって春夏物になるし、秋冬物にもなる。
同じモノなのに。
ということで、どうも世の中ぐちゃぐちゃになっているようなので、少し整理しておきましょう。
本来の正しいスーツに使われる生地はちゃんと夏用の生地は存在しています。
それは根本的に織物として構造が違うので、快適なのです。
- 夏は平織が最適
この世に存在する織物はとことん突き詰めると3種類の織り方しかありません。
それを三原組織といいます。
それが平織・綾織・朱子織と呼ばれるものです。
特に名前なんて覚えなくていいですが、スーツ屋さんに行った時に比べる判断材料になるはずですから、その違いは分かるようになっていたほうがよいでしょう。
2015年に書いていた記事ですが、未だにアクセスが続いているこちらを詳しくはご覧ください。
ということで夏に最適な素材がありまして、それが平織なのです。
ウール(羊毛)は冬は暖かく、夏は涼しいという二律背反する性能を持っているので、ウール素材を使ったスーツはとても理にかなっているのです。
この平織という構造は熱と湿度を逃がしてくれるような構造なんですね。
逆に綾織は熱を逃がしにくいという特徴がありますからこれは主に冬生地に使われているのです。
あとは糸の太さ(Super表記ではなく番手)でも結構かわってきますが、大まかに言えば夏生地と言えば平織ということです。
- 実物で比べてみよう
言葉よりも画像の方が100倍伝わりやすいと思いますので。
どうでしょう?
上の生地が平織で、下が綾織なのですが、違いがわかるかな?
どちらが正解かどうかではなく、用途に合わせて生地を選ぶことが大切ですよってことです。
ということで、昨今オーダー業界でも急速にこの平織と呼ばれる生地が少なくなっていますが、この素材を選ぶと快適な夏用スーツが仕上がります。
またスーツ屋さんで見比べた時の判断材料にもなると思います。
巷では脱スーツが主流派になりつつありますが、スーツそのものが無くなるわけではありませんし、現実に今まさにスーツが必要だからこそここまで読み進めていただいているのだと思います。
とはいうものの、その正しい判断材料なんて誰も教えてくれないと思います。
ですので、ご参考にしてみてください。
少しでもお役に立てれば幸いです。
それでもまだ納得できない時はご遠慮なくボクまでご相談くださいね。
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