ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
早いもので一月も早くも後半戦になりました。
アパレル業界においては一気に春物に切り替えてしまうところと冬物をギリギリまで引っ張るところと大きく2つに分かれています。
オーダースーツはどうなのか?というとどちらも作成出来る一番選べるタイミングになっています。
そう選択肢がとても多いという悩ましい時期ですね。
では、実際にどうやって決めればいいのか?
今実際にご提案している中で簡単な質問を一つだけしています。
「いつ着用したいですか?」
- 具体的にいつ使いたいかで選ぶべき生地は大きく変わります
日本には四季があり、そして衣替えという文化があります。
そして春は年度の入れ替わりという大切な行事もあります。
ポイントはこの大切なタイミングのどこで着用するかどうか?
このブログを読んでいるみなさんは年中同じでいいという人はまずいらっしゃらないはず。
ということは、多少なりともそのスーツを着用することの意味を分かっていらっしゃると思います。
とはいえ、日本だけでなく世界でもっとも信用される服装であるスーツ、そして色々な意味で切り替わりのタイミングと重なる時にどうすればいいか迷っちゃいますよね。
そこで「いつ着たいのか?」を具体的に絞り込んでみて下さい。
簡単な選択としては3月のセレモニーで着用するならば、春物一択になり、仕上がり次第すぐに使いたい状況であれば冬物がいいでしょう。
また、一回だけ着用するとこうことではないでしょうから、その後のどうするかってことも勘案しても良いです。
言葉を変えるとそれだけ生地は違いがあるのですね。
スーツに使う服地のほとんどはウール(羊毛)を使っています。
他にも様々な獣毛や化繊もありますが、今回は割愛です。(ややこしくなるので)
このウール素材って不思議なことに、春夏だろうが秋冬だろうが同じなんですよ。
ヒートテックとかエアリズムとか、何かしら元々の違いとか無く、まったく同じなのです。
でも、春夏と秋冬と言われる素材はまったくの別物になるのです。
気がつかない人は気がつかないし、分かる人は分かります。
分からない人通しであれば問題ありませんが、そうではないレベルの世界と通じる場合はキチンと分けていく必要があります。
またセレモニーで着用する場合は写真を撮るでしょう。
ずっと残りますからね。
正解を選んでおきたいところですね。
- その生地の違いは?
過去記事があったので詳しくはこちらをご覧になってみて下さい。
ものすごく簡単に言うこうなります。
暖かい空気をなるべく閉じ込めて保温させるように織り上げているのが冬物
衣服内の湿気を素早く逃がして上げられるように織り上げているのが春物
ウールと言うのは冬は暖かく、夏は涼しくなるようなスゴイ性能をもっているのです。
どんなにケミカルの分野が進歩しても絶対に真似出来ない素材なんですね。
あとはそれをどう味付けしていくかどうかで変わっていくということです。

これが冬物。

これが春物、違いが分かるかな?
正直ぱっと見では分かりにくいし、触ってみても分かりにくかもしれません。
でも別物です。
違うのです。
それらの答え合わせをするためにボクがいますから、そのあたりは相談していただければ問題ないんですけどね。
今はどちらも選択出来るタイミングです。
逆にいうと安易に選んでしまうと、本来の目的で最高のパフォーマンスを発揮出来ない一着になってしまう可能性もあります。
「いつ着るのか?」
この答えが明確ならば、一度プロ(ボクですが)に相談してくださいね!


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