土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
スーツは雨に濡れても大丈夫です!
冷たい空気と暖かい空気がせめぎ合うこの時期は雨が多いです。
これから梅雨の季節ですね。
いきなりゴロゴロ言い出してザザッーと降り始めるとちょっとビビります。
恵の雨とも言われますが我々ビジネスパーソンにとってはちょっと厄介ではあります。
そこでたまに聞かれるこの質問にお答え致します。
「スーツって雨に濡らしてはダメですよね?」
- スーツは雨に濡れても大丈夫です!
気候変動の影響なのかいきなり雨、しかもたまたま外出先で降ってきたら・・・
すでに雨なら傘をさせばよいのですが、折り畳み傘もない状況に遭遇したらどうなるか?
よく勘違いされるのが雨に濡らしてはいけないのではないか?と思われていますが、全然大丈夫です。
雨に濡れてダメになるようなスーツはそもそも欠陥品ですよね?
じゃあ汗もダメってことですから。
基本、オーダーメイドであろうが規制品であろうがスーツは雨などの水濡れでおかしくはならないように設計され作られています。
まず表生地ですが、そもそも織り上げていく段階で大量の水で洗浄しています。
もっと先を言えば、普段は雨風にさらされている羊さんの毛ですから。
そんなアウトドアで鍛えられた繊維がたかが雨ごときでボロボロになることはありません。
そして、クリーニングも一般的にはドライのみという認識が多いと思いますが、本当は水洗いも可能です。
もちろんそれがちゃんと出来る信頼のある所でということが前提となりますけどね。
それをウェットクリーニングとかマイクロバブルクリーニングなんて呼びます。
こんなことを言うと、自宅でも水洗いは可能なのか?ということになりますが、流石にこれはバツです。
近年一般的になった「洗えます」という表記がないスーツは止めておいて下さい。
それは、芯地が縮むから。
表生地や裏地は濡れても何の問題もありませんが、芯地だけは別物です。
もう少し掘り下げると表生地と芯地の萎縮差が発生してしまい、その差異から芯地の剥がれが起こる可能性があるからです。
それをパッカリングと言います。
ぷくっと表面が浮き出るような状態になってしまいます。
こうなると再度プレスをかけようが元には戻らないでしょう。
既製品に存在する洗えるスーツとは、そんな芯地が萎縮しないように設計されているということなんですね。
その分風合いであったり、質感は変わってしまいますから、トレードオフの関係性ではありますけどね。
- まとめ
スーツは雨にぬれても問題ありません。
少々の雨でしたら、自然乾燥で大丈夫です。
ずぶ濡れになってしまった場合は、なるべく乾いたタオル等で水分は吸い取って上げてください。
またパッカリングを避けるためといって、ギラギラ天日干しや乾燥機で強制乾燥はしない方がよいでしょう。
陰干しで風を通して乾かす方が安心ですね。
パンツの折り目は取れてしまっているでしょうから、乾いた後は当て布をしてプレスをするだけ。
スーツとはやわな服装ではありません。
我々ビジネスパーソンを守ってくれるスーツですからね。
とはいうもののこれからの梅雨時期はいきなりの雨に遭遇することもあるでしょう。
折り畳み傘は持参して乗り切って下さいね!
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