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このジャケットの袖付けは縫製不良ではないんです

土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。

ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。

一見するとただの縫製不良というか不良品に見えるけど、実はワザとだったりする仕様のお話。

 

  • これは明らかにおかしい?

ちょっと画像をみてみましょう

袖付け部分のところです。

こんな感じでシワシワになってしまっています。

これは明らかに縫製不良なのか?

オーダーメイドなのにこんな程度の悪い、粗悪品を渡すのか?

これじゃユニクロの方がはるかにマシじゃないか。

となるところですが。

実はこの袖付けは意図的に、つまりわざとシワシワになるように作り上げています。

つまりこのシワシワ状態が正解ということです。

これを一般的には「マニカカミーチャ」と言います。

日本語では雨降り袖なんて表現もある、立派な正式な袖付け方法なのです。

これはイタリアの南部地域産のジャケットには結構使われていますね。

ですからセレクトショップなどでも良ーく観察してみると見つけられるでしょう。

中途半端な縫製不良のエクボとは似て異なる正当な仕様です。

かつて文豪のヘミングウェイが好んでいたらしいですね。

 

  • 夏こそマニカ袖

このマニカカミーチャは夏素材こそ最高に良い仕上がりになります。

冬物はどうしても肉厚な生地が多いですから、なかなかこのシワシワ加減が上手く表現出来ない時があります。

物理的に難しいということですね。

それに比べて、夏素材のサラリとした生地とは極めて相性が良いのです。

薄手な生地ですから良い意味でグニャグニャした感じになります。

さらには芯地も裏地もパットも何もかも無しで作成すると驚くほど軽く仕上がります。

カチカチに仕立てるのも良いですが、近年のビジネスカジュアルというようなリラックスしつつもビジネスを表現するような組み合わせにはしっくりくるでしょう。

当然好みもありますから、万人向けではありません。

もし、ユルくラクに羽織れるジャケットをご検討しているのでしら、このマニカカミーチャ袖付け仕様にしてみてください。

快適過ぎてもう昔に戻れなくなること請け合いです。

これから作成するとなると真夏の真っ盛りくらいになりますでしょうか。

まだまだ着用する機会はあるはずです。

ぜひ試してみてくださいね!

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「私の役割は、オーダースーツによって自信をつけていただき、成績をあげていただくこと」 をミッションに掲げ2014年11月創業する。 独自の採寸には定評があり、また圧倒的な提案力でその人の魅力を最大限に引き出すことに全力で取り組んでいる。 土方が生み出すスーツは、スペックやブランド至上主義のオーダー業界とは一線を引く、「体験」を売る独自の手法をとる。 オーダーをすることの工程そのものを楽しむことから始まり、完成してからも楽しめるのが特徴。 ココアッソは手間のかかるオーダー屋です。そのかわりに、あなたの気分がよくなる、あなたの成績がよくなる、あなたの評価がよくなる、そんな一着を仕立てる。を口癖にしている。

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