スーツのパーツを覚えておきましょう Vol7
ついにVol7まできました。
今回はジャケットの裏側についてです。
わかっているようでわかっていない部分じゃないかと思います。
知っておいて損はしませんので、ぜひ覚えておいてくださいね。
今回もFacebookページの加筆リライト版です。
【ジャケットの裏の仕立て方】
これから日を追うごとに暑くなっていくでしょう。
夏になっていきますね。
オーダーメイドでジャケットを仕立てる時には、生地だけでなく、仕立て方によっても着心地や軽さ、涼しさを変えることが可能です。
大きく分けると4つあります。
それを今回はご紹介していきますね。
・総裏仕様
文字通りの裏地を前身頃から背中まで付ける仕様です。
もっともオーソドックスな仕様です。
メリットは汗などのダメージから生地を守ってくれます。また、滑りがいいので着心地に優れます。
デメリットは当然、通気性という意味において、一番劣ります。
個人的には、一番オススメです。
良質な裏地は吸湿性がいいので比較的蒸れにくいです。
そして、副資材である芯地をしっかりしたものが使えますので、ヨレにくいのです。長く形態保持が出来るのがこの仕様ですね。
・背抜き仕様
総裏仕様の背中の部分を取り去った仕様です。
夏物の代表的仕様です。
前身頃にはしっかりした芯地を使うことが出来ますので、ヨレにくく、背中から風が抜けやすいというバランス重視仕様です。
・半裏仕様
背抜き仕様をさらに軽量化します。
前身頃も半分ほど切り取ります。
これによって芯地まで薄く、または取り除くことが出来ますので、かなり軽い仕立てになります。
デメリットは当然芯地を取り除いていきますので、ヨレやすいです。
どうしても内ポケットにモノを入れることが多くなってしまう方にはあまり推奨していません。スマホまでなら大丈夫です。
・一枚仕立て
これはもう裏地をほとんど使いません。
肩のあたる部分を滑らせるために使うくらいです。
大身返しとも言う仕様で、ビジネスシーンというよりカジュアルな装いにオススメの仕様です。
ですのでスーツスタイルよりジャケットでの作成がオススメです。
もっと発展すると、細見返しといって、内ポケットすらないペラペラ仕様もあります。ラフなユルいジャケットにはこの一枚仕立てがオススメです。
他にもありますが、この4つが一般的な仕様です。
どのように使いたいのかによって選択肢がありますよと覚えておいてください。
永く使うなら総裏→薄く作るほど軽い分耐久性は落ちていきます。
バランスが大事ということです。
大分お勉強になりますね!
【織りネームの話】
どのスーツにもそのブランドタグが付いているはずです。
それを、
「織りネーム」
と言います。
ブランドロゴであったり、会社のC.Iだったり様々ですね。
当然ココアッソにも織りネームが存在します。
そして、
生地のブランドがある場合は、その生地「ブランドの織りネーム」も当然お付けします。
これが、一つの価値になっています。
名のあるブランドを付けることがステータスになる場合があります。
有名どころでは「ゼニア」などがありますね。
※これは葛利毛織のドミンクス
見せびらかすところではありませんが、そのスーツの価値になる部分です。
いづれにせよ、これが付いているということは、自慢してもいいよってことです。
織りネームが付いているのか、スーツの内側をのぞいてみてください。
ついていたら、その織りネームに込められた想い、歴史を調べてみても面白いかもしれませんね。
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