土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
オーダースーツの生地はいつでもあるけどいつもあるとは限らない
今日はこれ。
古今東西過去を遡っても、現代ほど豊富にオーダーメイド生地が揃っている時代はないでしょう。
人類史上最も恵まれた環境にあると言っても過言ではありませんよね。
現時点で今ボクの手元にある生地(バンチ)に存在している数だけでも数千種はあります。
もう正確な数は分かりません。
そして、ボクの手元にはないけどまだまだ世界には沢山の生地があります。
本当にものすごい数で、それが今も作り続けられているのです。
- いつでも欲しい生地でスーツが作れるのか?
ところで、ボクをはじめ仕立屋さんにいけば、いつでもいかなる時も自分の欲する生地のスーツが手に入るのかと問われれば、答えは「NO」です。
世の中にあるどのプロダクトにも共通して言えることだと思うことに「鮮度」という概念があります。
ファッションという生鮮食品と同じくらいデリケートな文化を扱う以上、その鮮度が大切なんですね。
いくら膨大な数の生地が生み出されようが、二度と手に入らない生地もあるということです。
ですから、これは!!って思ったら、一気に決めちゃった方が良いでしょう。
グズグズしているともう手に入らないってパターンは良くあるのです。
もっとも数があるという事は似たような生地も沢山あるという事ですけどね。
それでもピンときた生地と同じとは限らないのです。
ちなみに無地系は年間で制作され続けている場合が多いですがこれも必ず同じにならないのです。
完全なるインダストリアル製品であれば同じ品質を維持し続けられるのですが、スーツなどに使われるウールなどは天然物なのです。
だから常に同じ品質にならないんです。
それを全く同じ配合で染めようとしても、同じなんだけど、細密には微妙に違うのです。
さらにいうと現代の複雑な風合いを再現し続けるのは大変なのですね。
ですからピンときたら即決めが良いわけです。
また、織物の聖地であるイタリア北部地域ではコロナウイルスの猛威が終息どころか拡大の一途をたどっています。
最新情報では生活物資以外のすべての生産活動を止めるとの報道もあります。
テキスタイルだけは例外ということははいはずです。
これまでのように今後もこのものすごい数の中から選び放題という素晴らしい環境は永遠ということはないでしょう。
アパレルとサスティナビリティ(SDGs)は両立が難しいと言われています。
むしろ諸悪の根源的に見られいます。
ということは。。。
欲しい時に作っておく!
これが正確ってとこですね!
愛着のある一着、しっかり作成致します。
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