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【考察】天然繊維と化学繊維のどちらが優れているか?

土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。

ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。

天然繊維と化学繊維のどちらが優れているか?

この世に存在する繊維は大きく分けるとの二つに分類されます。

どちらがよいのでしょうか?

そんな考察です。

 

  • スーツに何を求めるのか?

単純にどちらが優れているかという話になるとあまりにも壮大な話になってしまいますので、スーツに使う服装に絞って考察してみます。

そうしないとスポーツウェア、アウトドアなどどんどん広がってしまいますので。

まず仕立屋さんとして、純粋に仕立てたいのは天然繊維一択になります。

Superとはオーストラリア産メリノウールの品質を表す単位ですね

これは純然たるスーツという服飾文化が生み出され、そして用途としてスーツをスーツたりえる着こなしで活用するという場面では揺るぎようのない結論になります。

その天然繊維といえど、そこからいくつかに分岐していきます。

その代表的なのが動物性繊維と植物性繊維といいます。

羊毛やカシミア、モヘアなどの獣毛繊維と、繭からとれるシルク、コットンや麻などがそれにあたります。

さらに細かく分けていくと、羊毛のなかでもその羊さんの品種によって性質がかなり変わってきます。

スーツの服地にはメリノ種が一般的ですが、それ以外にもチェビオットやロムニーなど沢山の羊さんがいらっしゃるのですね。

そこをさらに深く彫り込んでいくと、生育環境によっても同じ品種でもかなり違いが出てきます。

そんな細分化された原毛をどのように紡績(糸にする工程)するか、そしてどのように織り込んでいくか、最後にどのような仕上げをするかによってもまったく別物になっていきます。

同じウールなのに夏物と冬物と全く逆の季節に最適な服地になるとかですね。

ちょっと話がそれましたが、どのように活用するスーツなのかによってどのような生地にするかという問題はさておき、この天然繊維以外を選択肢にいれることはまずありません。

例外的に言えるのは、対摩耗性や引き裂き強度を極端にスーツに求める場合でしょう。

この場合は化繊であるコーデュラ(インビスタ社の商標高強度ナイロン)などを織り込んだ生地を選択することもあり得るでしょうが、多くの仕立屋ではほとんど取り扱いがありませんし、羅紗屋(生地卸屋さん)でも扱うところはかなり絞られます。

また、ボクをはじめとする形態の仕立屋さんであえてこの素材でスーツを仕立てる意味あまりない(作業服屋さんのつるしで対応できるのではないかと)と考えます。

別の側面では近年のジャージブームもありますが、これは単に弾性化学繊維であるポリウレタンを混ぜ込んでいるだけではなく、織物と編み物という似て異なる作り方もありまして、一概には言えませんがジャケットなどの単品はよいですが、上下揃いのスーツはあまりオススメしないかな。

その化学繊維といっても分類的には、石油由来の合成繊維、植物素材と石油のハイブリッドの半合成繊維、植物素材を溶かして作り直した再生繊維、ガラス系ケイ素系の無機繊維などがあります。

この中でスーツの服地として使われるのはポリエステルやナイロンなどの合成繊維が多く、ごく一部のジャケットなどではアセテートと呼ばれる半合成繊維を使うくらいでしょう。

これらを使う一番の理由は簡単で、コストです。

かつてはよほどの安価な製品でない限りは羊毛以外の素材をスーツの服地に使うことは考えられなかったのですが、バブル崩壊と長引くデフレによりいつしか日本ではこの化繊の混紡服地が一般的になりました。

欧州圏の機屋ではあえてファッションとしてこの素材を取り入れるという試みはありますが、あくまでもファッションであってリアルスーツでは安価品というカテゴリに入ります。

ジャケットやコートなどでは積極的に取り入れているものもありますので、すべてが安価ではないです。

誰もが聞いたことがあるのはゴア社のゴアテックスでしょう。

また、化繊を使った生地の中にはみなさんもご存じの撥水、防水、防風などの高性能を発揮するものもありますので、これがいつか羊毛と同等の質感にまで高まるとなると、天然繊維との立場が逆転する可能性もありますね。

 

  • 天然繊維と化学繊維のどちらが優れているか?

用途や目的を絞ればどちらにも良さはあって、どちらにも軍配は上がるということになりますが、今回はスーツの服地に絞っての考察にしましたので、結論は天然繊維が優れているという結論です。

量販店さんでは違うとなるかもしれませんが、正統派の仕立屋ではやはり良質な天然繊維の服地で艶、風合い、綺麗な色柄を楽しめる一着にしたほうがよいですよね。

先ほども少し述べましたが、ウールなら何でもよいわけではなく、用途によっては合わない服地もあります。

いくら艶のある一着にしたいとはいえ、シワシワになってしまうようではビジネススーツに不適格ですし、バリバリに硬すぎる生地も好みが分かれるところでもあります。

服地選びは単にイメージよりも用途から選んでみるのもおすすめいたします。

粗悪品はもう存在する時代ではないですが、相性は確かに存在します。

数多ある生地からどれを選んでよいか、これは悩むよりも素直にプロに相談してみると結構気持ちよく解決するかもしれません。

というよりもスパッと心が晴れてくる回答が得られることでしょう。

オーダースーツの生地選びは楽しいですからね。

悩むのも楽しさの一つ。

ご参考になれば幸いです。

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「私の役割は、オーダースーツによって自信をつけていただき、成績をあげていただくこと」 をミッションに掲げ2014年11月創業する。 独自の採寸には定評があり、また圧倒的な提案力でその人の魅力を最大限に引き出すことに全力で取り組んでいる。 土方が生み出すスーツは、スペックやブランド至上主義のオーダー業界とは一線を引く、「体験」を売る独自の手法をとる。 オーダーをすることの工程そのものを楽しむことから始まり、完成してからも楽しめるのが特徴。 ココアッソは手間のかかるオーダー屋です。そのかわりに、あなたの気分がよくなる、あなたの成績がよくなる、あなたの評価がよくなる、そんな一着を仕立てる。を口癖にしている。

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