土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
コートを仕立てる時の選択肢
コートを仕立てる。
自由度の高いオーダーメイドならではの選べるという行為があります。
ということで、作るぞ!と決めた時の選択肢の一つに「いつ着るコートが必要なのか?」という部分が悩みどころだと思います。
今年は暖冬で寒くなりきらない日が続いています。
かといって先日のように霙まじり寒い日もやってきます。
はてさて、どうしましょう?
- 仕立屋さんからの回答は2着用意しよう
2着売りたいからではありません(苦笑)
当然ながら2着目1,000円などのセットセールとかやってませんし(苦笑)
オーダーメイドコートの立ち位置はそうだからということですね。
モノが隅々まで行き届いた現代ではコートそのものは世の中に沢山ありますし、コートというカテゴリではない種類のアウターも豊富に存在します。
オーダーメイドでなくてもなんとかなる世の中で、あえてそれらとは違うコートを手に入れるわけでございますからなるべく万能選手ですべて賄える一着が欲しくなるかと思います。
しかし・・・
2着はご用意頂くのがオススメしています。
数はあればあっただけ良いのですが、現実的に考えてみるとやはり2着は必要なのです。
理由です。
季節に合わせて異なる素材でお仕立てすると、今年のような中途半端な暖冬や季節の端境期までスキなく着用出来るようになります。
既製服ではライナーの着脱が可能なタイプや、防風防水でありながら内側の湿度は透過させるなどの機能性素材を使い、これ一枚で事足りるというコートも存在します。
残念ながらオーダーメイドの世界にはそのような利便性を突き詰めた一着は現状作成しているところも見たことがありません。
元々オーダーメイドというのは正しくサイズ感を見極めた一着で、かつキレイなフォルムで快適にカッコ良く着用するというのが趣旨になります。
ということで、一枚でなんでもこなせる万能選手という考えではなく、季節に合わせて揃えるという方向が申し分なく、いかんなくポテンシャルを発揮出来るはずです。
では具体的にどんな素材で2着を選べばよいでしょうか?
- ウールとコットンで2着を仕立てる
オーダーメイドコートというとやはり中心となるのはウール素材になります。
単純にウール素材と言っても様々ですからそこからさらに色々と派生はありますが、まずはオーダーメイドらしさ、暖かさという観点からウール(カシミアなどの獣毛全般を含む)素材がおススメです。
近年このウール素材のコートがスーツの正統派回帰の流れと合わせて増えているという意味もありますからね。
そしてもう一つが、コットン素材のコートです。
防寒性という意味ではウールにかなうはずもありませんが、これから季節の端境期に向かって実に使いやすい一着になるでしょう。
シーズンのはじめも羽織りやすいでしょう。
ウールコートは確かに暖かいですが、それゆえにどのくらい寒く感じると着用してよいのかが悩むはずです。
寒いけど、まだ早いかなとか、喜んで着用したけど電車の中は暑かった・・・とかですね。
ではそのウールコートの出番はやってくるまではどうするのでしょう?
そしてこれから春先に向けてウールではないけど、もう一枚必要な時のコートとしてコットン素材はかなり有効です。
コットンと言ってもこれまたウール素材のように多様な選択肢がありますから、一言でくくることは出来ないのですが、有益なのは間違いありません。
その中でもオススメは高密度織物(ギュギュっと目が詰まった織物)素材だとコートとしての機能である防風性が保たれます。
保温性はコットンである以上それなりになりますが、むしろその方がよい気温や着用条件であるのですからこれはプラスと捉えるべきでしょう。
いずれにしてもこの2つの素材でコートを仕立てるというのは理にかなっていて、オススメです。
- まとめ
どちらを先に仕立ててるべきかと問われれば、今日現在であったらコットンでしょうね。
ガチで使えますので。
そうではなく、時期的なゆとりがある場合であれば、まずはウール素材で一着お仕立てされるのが良いでしょう。
本当のコートの着心地、サイズ感、快適さとカッコ良さを体感しやすいです。
フワフワの素材で仕立てると幸せになれるのは間違いありません。
もし、コートでお悩みでしたら、一度ボクまでご相談くださいね。
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