ターナー(土方)です。
冬生地と夏生地の違い
昨年の11月に書いた記事なんですが、結構お化け記事でして、ずっとアクセスが止まらないんです。
それだけ、みんなの関心があることなんだと思います。
大分間が空きましたので、改めて加筆訂正したリライト版にしたいと思います。
冬の生地と夏の生地の違いってなんでしょうか?
みなさん意識していますか?
「自分は暑がりなんで、薄い生地がいいであります!」
ってお話をよく聞きます。
それとこれとは違うお話です。
日本には四季があります。その四季に合わせて、大きくわけて、春夏物、秋冬物と区分けしているのです。
細かく言うともっとありますが、日本のスーツ生地は主にこの2つに分類されます。
今回はその見極め方を教えちゃいますね。
この二つの分類は、
夏は、平織
冬は、綾織
他にもいろんなのがありますが、これだけ覚えておきましょう。
織物には経糸と緯糸を組み合わせて織り上げます。それを組織っていうのですが、その最少単位を完全組織っていいます。
完全組織とはたて、よこ糸が同じ数になる状態のことを指します。
・平織
平織とは、もっともシンプルな織り方で、経糸、緯糸それぞれ2本から成り立ちます。
シンプルであるがゆえに、丈夫で、糸と糸の間に隙間を持たせることが出来るので、通気性をよくすることができるのですね。
つまり、夏物に主に使われる場合が多いんです。
通気性が言い分、ツヤは出にくいのも特徴ですね。
ウールトロピカル・フレスコ・綿だとブロードなんて呼ばれてます。
トロピカルなどは、例えばドーメルではトロピアルアマデウスとそのまま名前になってたりしますね。
・綾織
綾織とは、経糸、緯糸がそれぞれ3本づつからなりたつ組織のことです。
斜めに線が浮き上がって見えるのが、これにあたります。
斜文織おりとか、Z撚りとかそんな名前があります。
この綾織の特徴は、織り密度が高くなるので、保温性がよくすることが出来ます。
つまり、冬物がだいたいこれに当てはまりますね。
緯糸を一本飛ばして織っているので、ツヤが出ます。
なので、夏物に対して光沢感が出る織物が多くなるんですね。
よく見ると、斜めに織模様があるでしょう?
主に、ギャバジン(ギャバって呼ばれてます)、サージ、サキソニー、カルゼ、フランネルなんてのがありますね。
綿だとツイルとか有名です。コットンパンツ等に使われるかな。
・朱子織
もうスーツ生地では一般的ではないですが、もう一つ一応さらりといっておきます。
朱子織、組織が経糸、緯糸それぞれ5本で成り立つ生地です。
一番ツヤはありますが、耐久性があまりないのが特徴です。
バブル時代に流行った紫とかのたっぷりしたダブルのスーツがこれですよ。
ベネシャンって素材です。よくベネって呼んでいました。
もうほとんど出回ってないはずです。
シルク繊維ではとても有名なのがあります。
サテン、と呼ばれてます。
サラサラですから、タキシードのエリなどに使われていますね。
以上3つあわせて、
三原組織っていいます(とくに覚えなくていいですよ)
まとめ
夏は平織でさっぱりと
冬は綾織でしっかりと
どっちかな?と思ったら斜めに織模様が入っているか?を見てくださいね。
一般的なスーツ屋さんに行けばほぼこれに当てはまるはずです。
わからなければ、ボクまで相談してくださいね!
夏物でも、綾織ももちろんありますし、微妙なのもあります。
織り方というより糸の太さによっても変わります。
番手と言います。やたら表記が多いSuperとは違う意味ですよ。
そのあたりの、フツーのお店でお茶を濁したくなる話も、スパッとお答えしますよ!
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