スーツの生地はSuper表記で選ばなくても大丈夫です！

土方洋（ヒジカタヒロシ）ニックネームのターナーです。

ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。

Superという表記をご存知でしょうか？

オーダースーツマニアな方でしたらすでにご存じの方も多いことでしょう。

既製品でも名前の通った生地を採用している場合はたいていその生地ブランドの織りネームをジャケットの内側ないし左袖にしつけてありますので、そこに記載があるかと思います。

なにやら数値が書いてある場合があります。

またオーダースーツで言えば生地耳にその数値を記載しているものもあります。

この数字のことを一般にはSuper表記と読んでいます。

我々ビジネスパーソンはどうしても数字や数値を見ると、最上を自動的に求めてしまいがちではあります。

常にベストを求める我々の性ですから、これは致し方ありません。

そういった観点からするとこの数値は高ければ高い方が良いのか？

と考えがちではありますが、一概にそうとは言えないのがこのSuper表記マジックであります。

Superは糸の太さではない！

スーツを購入しようとしたときに大抵スタッフさんから、こんな話を聞いたことがあるはずです。

これはSuper○○というとっても細い糸を使っているので、風合いがとってもよいんですよ～的な。

完全に間違っているわけではないのですが、違うのです。

Superは糸の太さとは全く関係がない。

これは原毛の品質を表す単位なのです。

何かというと、羊さんから刈り取ると綿菓子のような状態になりますよね。

これを原毛と言います。

これを選別していく過程で表記上のSuperが生まれます。

ものすごく簡単に言えば原毛の細さを表しているのです。

具体的な目安としては、

Super80’ｓで、19.5μ（ミクロン）

Super100’ｓで、18～18.5μ

Super150’sで、15μ

Super200’sで、13.5μ

こんな感じです。

ちなみにμは1ミリの1000分の1です。

この選別して出来た状態をスライバーと呼び、それを紡績工場にて糸にしていくといことですね。

ちなみに糸の太さは番手と呼びます。

ですから糸の太さとSuperはまったく関係がないのです。

Super150’Sの原毛を使って紡績した糸を80番手の太さにすれば、80番手ですし、120番手にすればそのまま120番手であるのです。

Super100’Sで仮に150番手の糸であった場合はそちらの方が細いということですね。

また風合いの良し悪しはこのSuperの数値とは違うところでも差が出てきます。

紡績の品質であったり、単糸使いか双糸使いか、その撚りの強さであったりとか、織り上げる密度とかですね。

高Super表記の生地は確かに魅力的に映りますが、必ずしもメリットばかりではありません。

確かにしっとりとした風合いはありますし、気分も上げてくれますからご機嫌な一着になります。

その反面ちゃんとお手入れをしないとすぐに傷んじゃいます。

良い一着だからと言って長持ちするとは限らないのです。

ゼニア社はどの生地も記載はされていません。

例えば世界で一番有名な生地であるゼニアはこのSuper表記を一切していません。

しなくても生地に自信があるからですね。

そしてSuper表記競争に巻き込まれたくもないのでしょう。

まとめ

生地に記載されているSuper表記の数値はあくまでも目安くらいにしておいて大丈夫です。

それよりもその生地ブランドの名を冠しているということに自信を持っている以上安心して良いです。

あとは自分の使い方とあっているかどうかなど、不安なこともあるかと思います。

そういう時はボクにご相談くださいね。

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土方洋

「私の役割は、オーダースーツによって自信をつけていただき、成績をあげていただくこと」をミッションに掲げ2014年11月創業する。独自の採寸には定評があり、また圧倒的な提案力でその人の魅力を最大限に引き出すことに全力で取り組んでいる。土方が生み出すスーツは、スペックやブランド至上主義のオーダー業界とは一線を引く、「体験」を売る独自の手法をとる。オーダーをすることの工程そのものを楽しむことから始まり、完成してからも楽しめるのが特徴。ココアッソは手間のかかるオーダー屋です。そのかわりに、あなたの気分がよくなる、あなたの成績がよくなる、あなたの評価がよくなる、そんな一着を仕立てる。を口癖にしている。