土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
もうビフォーコロナ時代に戻らないと言われています。
リーマンショック以上の大不況の到来とも言われています。
先日内閣府より2020年1-3月期1次GDP速報値が少し前に発表されましたよね。
膨大な資料の結論だけを言うと-3.4%という数値になっていました。
多分かなり大甘で実態はこんなもんじゃないでしょうし、4-6月期の速報値はさらにとんでもないことになっているでしょう。
アパレルにおいても各企業の単月速報が発表されていますが、驚くべき数値が並んでいます。
ビビッて見るに堪えないです。
休業していたんですから当たり前ですけど。
それでもあえて休業せずに粘り切ったところでも散々たる数字が並んでいます。
おっと、いつものように話が逸れていってしまいそうなのでタイトルに戻ります・・・(苦笑)
もうコロナ以前の何もない頃のような時代に戻らないんじゃないかと感じています。
アパレルに限らずサプライチェーンという国家の枠を超えた生産体制の限界と、トランプさん率いるアメリカンファーストにみる自国第一主義の台頭がより顕著になっていき、これまでひたすらに拡大してきた消費文化からの転換になるのではないでしょうか。
特に物販においてはね。
GAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)も今後は益々モノ以外の収益を強化していくでしょうし。
スーツに絞り込んでいけば、そのニーズが世界中で右肩下がりなのは間違いないです。
世界でもっともスーツを着用する民族である我々日本人でさえこの流れには逆らえません。
今後の流れとして、スーツは作業服化と選ばれし人向けの高級化の2極化が益々増大し、丁度良いと思うところが無くなってしまうでしょう。
オーダーメイドはどうなのかというと、ほぼ間違いなく生き残りをかけた業界のすべての企業が参入した泥仕合になるでしょう。
今現在すでに始まっているんですけど。
たぶんね、このままだとオーダーメイドの品質がすこぶる悪くなり、既製服の二の舞になってしまうでしょう。
何故なら結局はやっていることは過去と全く同じだからです。
大量に作り、販売実績を上げて、イニシアチブを取りたいって考えているから。
ボクに迷惑をかけなければ、どうしようがどうなろうが勝手なんですけどね。
ま、絶対にボクにも影響が出てくるでしょう。
めんどくさいけど。
- 身の丈に合ったコンパクトなやり方が注文服の生き残れる道
量産型のライン生産であろうとも受注生産という形式をとればオーダーメイドと名乗れるんですから、便宜上注文服と言えるのが現代ではありますが、時代の先端に辿り着くまでに消耗し、疲弊し、つぶし合いの果てに、粗悪でチープなモノが価値基準になり果ててしまうのは目に見えています。
そうじゃないところがオーダーメイドなんじゃないかなというのがボクの変わらぬスタンスです。
ココアッソでは確かに時間もかかるし、コストも勝負にはなりませんし、ボク自体が多少めんどくさいかもしれませんが(苦笑)、その分コンパクトに立ち回ることが出来る。
顔が分かるお付き合い、何でも相談出来る関係性の中に対価を見出していただけるようにする(実際にかけているコストは別次元なわけですが)。
アパレルは身の丈にあったやり方の方がいいんじゃないかと感じる次第です。
その中でもオーダーメイド、注文服とはまさに服の御用聞きであればあるほど信頼が確立するのではないでしょうか。
そして正しく技術を継承してくれている機屋さんをはじめとする職人さんも機械化では出来ない本当の意味でのアパレルを支えてくれるのではないでしょうか。
ボク一人ではどうにもなりません。
その一着のスーツが仕立て上がるまでに関わる本当に多くの人が等しくプライドをもって生活をすることが出来てこそ生き残れるのですからね。
GDP速報値を見ていてふとそんなことを考えていました。
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