ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
プロが見ればオーダースーツなのか既製服なのかはすぐに見分けがつきますが、一般的にはよほどサイズ感のバランスがおかしいなどが無い限り見分けは尽きにくいと思います。
今日はそれを誰の目にも分かるようにしているポイント・・・
の話ではなく、自分にしか分からない部分のお話。
そう、誰も気が付かないし、もしかすると自分でさえ気がつかないかもしれないくらい些細なこと。
耳を使うのです。
- 耳とは生地の端の部分のこと
服地を織り上げる時にその端の部分になんらかの意匠を施す場合があります。
デニムパンツなどその昔赤耳なんて呼ばれるモデルもありましたね。
元々は織り上げた服地がほつれない様にするためのものなんですけどね。
それがいつしかレアリティの対象になってくるのもあります。
ボクのような仕立屋さんにとってもあったほうがありがたい部分でもあります。
この耳によって生地の表裏がわかりやすいとかね(わかりにくい生地が存在するのです)。
もちろん耳ナシと呼ばれる生地(正確にはありますけど)もありますし、それが良し悪しに影響することはないんですけどね。
そしてこの耳と言う部分は、普通は使いませんが、この耳をちょっとしたところにあしらっているとオーダースーツぽく見えるわけです。
ヤマザキのランチパックを作ると食パンの耳が余ってしまいますよね。
あれをラスクにして販売しているように(正確には違いますけど)捨てるにはもったいないと感じる人もいらっしゃるわけです。
そこで誰にも気が付かないし、本人も気がつかない部分に使います。
それがこれ。
流石にこのパンツのすそ口を見せびらかす人はいないでしょう。
そしてここを普段から眺める人もいないでしょう。
そして、赤耳デニムのように使い込んでアタリを出すなんてもまずしません。
だけど・・・
いいでしょう?
オーダーメイドと自分だけがわかるちょっとした部分のお話でした!
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