ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
先日ボクがお世話になっております縫製工房の展示会に行ってまいりまいりました。
新しいインスパイアするきっかけ作りのために、お邪魔してきました。
ただのスーツをただ作成するだけなら現状のままでも何の問題もありません。
一応これでもそれなりに経験と言いますか、修羅場はくぐり抜けてきた人間ですからね。
でも、それだと止まっちゃうのです。
スーツとは言葉そのものは昔から変わりませんし、これらかも変わらないはずです。
そう言葉上では変化がなくても、現実には服飾である以上文化(カルチャー)なのです。
そして文化である以上常に変化していきます。
そう、スーツとはみなさんが気が付かないところで、微妙に常に変化し続けているのです。
スーツのように日常の世界つの中に溶け込んでいるアイテムというのは、その変化に気が付きにくいはずです。
習慣という価値観の中にいったん吸収されてしまうと、無意識のうちに身に着けるようになってしまいその微妙な変化もいつしか当たり前になってしまうからですね。
じゃあ、昔のままでいいじゃないか、という考え方もあります。
オーダーメイドスーツの世界では伝統を重んじる風習があり、過去の偉大な価値観を守り抜く部分があります。
ぶっちゃけて言っちゃうと、昭和のオッサンのままじゃイカンでしょ。
とボクは思うのです。
新しいコンテンツがデジタルでは加速度的に増え続けている以上、服飾文化もそれに合わせて加速度的に変化していっています。
伝統を守るだけがオーダーではないというのが、ボクの考えなのです。
ただし、なんでも機械で自動化では意味がないとも思っています。
- 実はオーダーの世界もライン生産工程がほとんどなのです
オーダーメイドというとみなさんどんなイメージされていますか?
一つ一つカスタムして作る感じでしょうか?
間違ってはいないのですが、現実には少し違います。
日本、アジアに現存する工場のほとんどはオーダーといえどもライン生産体制をとっています。
簡単に言えば流れ作業ということです。
どういうことか?
ようは決まったモノしか作れないということ。
オーダーという名のただの組み立て工場でしかないわけです。
それでもオーダーと言えなくもないですけどね。
今のオーダーメイドと呼ばれるスーツのほとんどはこれになっています。
そうでないとそもそも今の生産量を維持できませんし、工場として成り立たないというわけです。
ほとんどはね。
- あえてめんどくさい工程を経て作成する工房もある
そうボクがお世話になっている工房はあえてそれをしない。
わざわざめんどくさい工程をしている工房さんです。
だからボクのわがままにも対応していただけますし、そもそもが本当に手作りです。
人が見える、顔が見える、対話が出来る。
パターン化され、ただパーツを組み合わせるだけのところでは味がないじゃないかとボクは思っています。
そもそもボクの考える形にはならないしね。
無論デメリットもありますよ。
納期はライン生産じゃないですから時間はかかりますし、精密さで言えばパターンオーダーのほうが正確ですからね。
そうではない手作り感がオーダーメイドじゃないかというのが、ボクの考えです。
そして、そんなフレンドリーな展示会は楽しいのです。
ボクは一般の部の開始前からなぜか先行して会場入りしてましたけど(苦笑)
ボクとしては、今回の展示会を通じて新しいターナースペシャルカット仕様を作成してみようと思います。
今までとは根本が違う仕様なのでどうなるでしょうか?
今季に間に合うかどうかも分かりませんけど、かなりいい感じのインスパイアは受けましたので、お楽しみに!
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