土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
今日はちょっとした小ネタです。
スーツをいざ購入しようとしたときに、一発で手間をかけているのかを見分ける場所をご紹介します。
- スーツなんてみんな同じでしょ?
セレクトショップにいこうが、量販店やショッピングセンターにいこうが、どこにでも売っているスーツ。
価格も本当にピンとキリですよね。
スーツなんてみんな同じようにみえますよね。
見た目が同じなら安い方がいいじゃないか・・・
と・・・
ボクのブログの読者のみなさんは・・・
思っていらっしゃらないはずです。
無理に高いものを購入することが幸せにつながるわけもありませんし、高額だからちゃんとしているスーツであるわけもありませんが、価格ではなく手間をかけているスーツかどうかを見分ける方法もあります。
スーツを購入しようとお店に行った時に見れば即わかる場所があります。
最初に申し上げておくと、これが全てではないですからね。
あえてそのようにしているということもありますし、そもそものコンセプトとしてそういうものなんだということもあります。
日本人特有のきめ細やかな気配りであったり繊細な感性を形として表現していくという意味での判断基準です。
- 袖口をめくってみよう
答えは「袖口の裏側」です。
そう普段まず見ることはないであろう場所こそが手間をかけているかどうかを見分けるポイントなのです。
そしてその見ることはないけど、すぐに見分けることが出来る場所の一つがこの袖口の裏側なのです。
さっそく画像で見てみましょう。
ご覧いただくと分かりますが、これを額縁仕様と言います。
表現通りで賞状などを飾る額の角部分ように見えるのでこのような表現になる仕上げ方法です。
もう一つ仕様として。
一昔前であれば、この額縁仕様というのが一般的な仕様として既製服のような量産品でも採用されていました。
現代における袖口の仕様は、二パターンに分けられます。
そもそも袖はお直しする前提で未仕上げにしている状態。
ボタンも付けてそのまま着用出来る状態。
このうち袖を未仕上げにしている時はあとはお直し屋さんへのリクエスト次第でどちらにもすることが出来ます。
別に額縁にしたからと言って性能面や機能、耐久性に変化はありません。
そもそも見えないですし。
もう一つ、すでに仕上げられている状態の袖口の場合、それでもちょっとお直しをしたい場合があります。
そんな時に手間をかけて額縁で作成していても意味ないじゃなんということですね。
それでももうひと手間かけておきたいところではありますが、コストコントロールという側面から見たらこちらの方が良いと判断するご時世というわけです。
何度も言いますが、額縁仕様だから良いとは限りません。
某イタリア産スーツなどはこんなことしてませんし、日本人特有の美意識からくる仕様です。
だって見えないんですから。
スーツ屋さんに行った時に、ちらっと思い出していただければ選択する時の基準の一つになるのではないでしょうか。
ここまで指定される方はほぼいらっしゃいませんが、オーダーメイドでも選択することは可能です。
さあ、ここまで読んでくださったわけですから、今着用されているスーツの袖口の裏側がどのようになっているのか?
さっそく見比べてみてくださいね。
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