ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
そろそろ新しい時代の夏の軽装化を実践してみませんか?
みなさん誰もが無条件に口にする「クールビズ」。
もはやそれが何なのかを問うことすらする必要もなく、そして何であるかを知る必要もないくらいに日本の文化になっているのがクールビズ。
今日も誰かがクールビズと言っているはずです。
文化として認知している以上それ自体は何の問題もありませんが、そろそろ当初存在していた考え方を引きずっているよりも、時代に合わせてアップデートをしていくのをオススメしています。
- 最初のクールビズは2005年!
この言葉が生まれたのは2005年(平成17年)と17年も前の話なのです!
ですから、その当時社会人ではなかった世代からすれば、すでにこの世にはクールビズという言葉が存在していたことになりますよね。
そして当時を社会人であったボクと同世代のみなさんはあの時を懐かしく思い出してくださいね。
第一次小泉内閣時代ですよ。
劇場型内閣とか呼ばれていたあのパフォーマンス政権時代に生まれた造語です。
当時の環境保護に対する意識としては今とは違い二酸化炭素の排出量を減らすことが地球温暖化を防ぐ最優先事項と位置付けられていて、その一環として節電しましょうとなり、じゃあ夏場のエアコンをガンガン使うのではなく、ちょっと控えめにしようとなり、じゃあ設定温度は28度という謎理屈が発表され、それがチームマイナス6%という国民向けのパフォーマンスに変わり、それをマスコミや関連企業、当然アパレル業界も巻き込み大きなムーブメントになりました。
某都知事がその時の現職環境省出会った時に小泉首相に相談したことからこのキャッチコピー方式が生み出され、一般公募からこのクールビズが生まれたのです。
覚えていますでしょう?
この功罪を論ずるつもりはなく、そういう時代を通して今があると言いたいのです。
時代は変わるのです。
服飾は文化です。
文化である以上移ろいゆくのです。
昔は昔であり、今は今なのです。
これはファッションだからではなく、働く服も同じです。
もしみなさんがクールビス大盛り上がり時代の服装をそのまま今まさに着用していたのなら、ちょっと恥ずかしいと感じるはずです。
クールビズという言葉が生まれるさらに一昔前に存在していたバブリースタイルなんてもう着れないよねって思っていたのと同じはずです。
それだけ変わってきているということ。
じゃあ、どのように変わってきているのか?と問われれば、それを意識して答えられる人はほとんどいらっしゃらないでしょう。
そんなのは当たり前なんです。
服飾は文化であり、それは日常であるからです。
あまりにも身近なモノであるがゆえにその緩やかな変化に気がつかないのが普通です。
それが正しい着こなしの変化への対応ではあるのですが、ここ数年、もう少し言えばこのコロナ禍に始まった歴史の転換点という大きな節目では意識的に変化を促す必要があるとボクは考えます。
流れに任せるのではなく、自分でその流れを見つけ、その流れに乗るように動く。
ゆらりと流れる川の流れではなく、今は激流の川下りだと想像していただければ分かりやすいでしょうか。
それだけ働き方が変わり、それは服装にも影響を与えているってことなんですけどね。
ボクの立ち位置はその川下りをしている船の船頭ですから、しっかりとその流れを読み、船を制御することがお仕事です。
船に乗るみなさんをこの激流から安全に乗り切り、ゆらりと流れるところまで導くのが役目です。
もちろん一人カヌーで乗り切るのもよいでしょう。
それだと経験者でないとなかなか難しいのかなと。
プロに任せて安全に乗り切るという選択肢もよいのかなと船頭であるボクは思います。
間違いなく今はゆらりと流れている川ではなく、かなりの激流です。
いつの間にか変わっているから気がつかないけど、すでにそれを察知して動いている人は確かにいらっしゃいます。
たぶんここまで読んでくれているみなさんはそれを察知している側の人です。
あとは勇気をもって行動するだけです。
まずは街ゆく人のスタイルを観察するところから始めてみてください。
テレビに映るニュースキャスターの服装を意識的に見てみてください。
ちょっとした変化に気が付くはず。
もしくは何が変わっているのかを調べてみるのもよいです。
きっと次の日にはまったく別の世界にいるような風景が目の前に広がっているのが分かるでしょう。
さあ、2005年のクールビズから抜け出しましょうね!
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