ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
これから梅雨が明けてくると高温多湿な日本の夏が始まりますね。
仕立屋さんとしては一番過酷な季節ではありますが、逆に言えば楽しい季節とも言えます。
何故ならアパレル業界だからこそ、仕立屋さんだからこそ手に入る素材で自分好みに作ることが出来るからですね。
特に一昨年に軽い熱中症になった経験上どうしたら快適に過ごすことが出来るかを色々と考えております。
そんなボクだからこそオススメ出来る素材がいくつかあります。
その一つがモヘア素材です。
- モヘアとはヤギの毛のこと
獣毛素材でもっとも普及しているウールとは羊の毛のことです。
モヘアはヤギの毛ですから元々全く違うものなのです。
ウールはみなさんご存知通り南半球のオーストラリアやニュージーランド産がほぼ全てですが、このモヘアの元であるアンゴラヤギは産地がかなり異なります。
今現在一番の産出国は南アフリカ共和国ではなかったでしょうか。
獣毛とはモヘアに限らずウールでもまたカシミアなどコンデションが整わない地域では生育出来ないのです。
正確には生育出来ますが、その刈り取る毛が最高のコンディションになるように育たないのですね。
けっこうデリケートなわけです。
その上、場所が場所だけに安定供給がしにくいという状況が続いていたために、ウールに比べて産出量はそんなに多くはないのです。
つまりレアリティは高い素材がモヘアなのですね。
- モヘアが何故夏に最適なのか?
モヘアはウールに比べて熱の遮蔽性が高いと言われています。
現代においては炎天下でジャケットを羽織る機会はあまりないとは思いますが、このメリットは大きいでしょう。
そして、ハリコシ感がかなりありますので、柔らかいウール素材に比べてそのシャリシャリした風合いはかなり涼しいと感じることが出来るのではないでしょうか。
特に汗でべた付くことがないので高温化でもぼーっとすることなく意識が飛びにくいでしょう。
結構重要ですよね。
ただストレッチ性はウールに比べて皆無ですから、サイズ感などは少し調整おくのがよいでしょう。
これはウールに備わっているクリンプ(縮れ)がモヘアにはなくストレートヘアになっているという構造上の違いがありますからそのクセをうまく利用するようにセッティングすれば問題ないんですけどね。
それ以上に防シワ性が高く、近年急速に見直されている正統派回帰の流れも相まって夏の装いとして選んでおいて損はないと思いますよ!
モヘア素材もその配合率(さすがにモヘア100%ハード過ぎる)や糸番手(糸の太さ)の使い方によって風合いは様々ありますから、好みでチョイスすることが出来ます。
気になる方はぜひお手に触れにいらしてくださいね!
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