ターナー(土方)です。
「職人道」
久々にいい言葉に出会いました。
愚直なまでに正直にあえて厳しい道を自ら選んで進もうとしている人に出会いました。
ボクと同じ仕立屋さんとして活動されている方です。
ボクはココアッソという会社を立ち上げました。
その理念の一つに日本の職人さんを守っていきたいというのがあります。
日本のオーダーメイドスーツの縫製工場はもうすぐ激減します。
間違いなく数年後にそれは起こります。
100%無くなるわけでありませんが、資本がない工場は無くなります。
なぜなら、事業継承、技術の継承が行われていないからです。
バブルがはじけた後に起きた日本の工場の大移動。
当時、生き残るためにはしかたなかったんでしょう。
コストを下げて大量に売りさばくことが正解とされてきましたから。
競合よりもいかにコストを下げるかが焦点になっていたように思います。
失われた20年の間に、本当に技術が失われてしまいました。
日本の縫製技術、きめ細かい丁寧な仕立ては世界でも類を見ないほど素晴らしいものです。
残念ながらそれが次の世代に継承できるような仕組みがなされずに、ロストしてしまっています。
本当に残念ですけどね。
ボクも昨年、そして今年も同じことを聞きました。
職人さんが引退したんで、もう出来ませんと。
これに危機感をもって行動されている人とお会いしたんですね。
自ら工房を立ち上げられたんです。
簡単じゃないんですよ。
ミシンをはじめとする設備って単純じゃないですからね。
それをやってのけた。
そして、その職人さんがすごい。
最高齢はなんと御年78歳!!!
そして現役です。
この方はなんと丸縫い(すべての工程を全部一人でこなすこと)が出来るんです。
もう人間国宝ともいうべき人なんです。
その人は、その自らの技術を次の世代に継承したいと未だお元気にされているとのこと。
しかし、タイムカウントは刻々と進んでしまっています。
残り時間はそう多くはないです。
次世代にうまく引き継がれることを願ってしまうのでした。
そして、ボクとしても何らかの形でこの想いを発展できないかと考えています。
一見華やかなファッション、アパレル業界。
ファストファッションのことを少し前に書きました。
手軽にオシャレを楽しむのが現代です。
その裏では失うモノもあるのです。
ほとんどの人には特段何事もなく過ぎてしまう時の中、少しだけこんな現実があるということに想いを馳せてもらえればさいわいです。
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