ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています
ココアッソのスーツはオーダーで作成いたしますので、様々な仕様をチョイス、選択することが出来ます。
何もかもすべて自由と言うわけではないですし、この世に無いモノを生み出すということではないんですよ。
難しくなりすぎて何をしたいのかわからない一着になってしまう恐れがありますからね。
ボクはなるべく分かりやすく簡単に選べるようにパーツごとに相性を見ながらご説明していますし、全部丸投げしてもらっても多分問題ないでしょう。
慣れないうちはボクが任せてもらったほうがバランスが良い一着になるかもしれませんね。
食品には食べ合わせという相性があるように、スーツのパーツなども同じように向き不向きがあるのです。
そこで今日は裏地のお話です。
- 裏地を付けるか付けないか?
ジャケットには通常滑りを良くしたり、まとわりつきを防ぐために裏地を取り付けます。
極端なカジュアルジャケットでない限り、普通のスーツのジャケットには必ず付いています。
今みなさんが着用されているジャケットにも付いていますよね。
そこで春夏向けのジャケットには裏地を付けるのかどうか?というポイントがあります。
簡単に言えば、総裏仕様か背抜き仕様のどちらがいいのか?ということです。
背中の部分だけ裏地を外すような仕様のことを背抜きと言いますが、これは果たして正解となりえるのか?という問題ですね。
ボクなりの回答を端的に言うとこうなります。
「総裏がおすすめ」
着用条件によって当然変わりますが、シュチュエーションとして盛夏の時期はクールビズ期間と言うことでジャケットを着用しなくても良いという一般的な例に当てはまるなら総裏がいいでしょう。
理由はいくつかありますが、盛夏に着用しないのであれば、その前後の季節にいかにして快適にパフォーマンスを引き出せるかにフォーカスしておいたほうがいいというのが上げられます。
寒の戻りといってこの季節は日中は過ごしやすくても、夜は結構冷え込むというものです。
風が抜けてスースーするよりもいいでしょう?
また、仮に夏場にジャケットを着用するような状況になった場合にも、むしろ裏地があるほうが快適だったりします。
裏地があるメリットととして表生地が汗や擦れ等による劣化から守ってくれます。
また、意外かもしれませんが、裏地があることによって滑りが良くなり、まとわりつきが軽減されます。
- 背抜きは日本生まれの日本育ち?
背抜き仕様と言うのは元々は日本で生まれたとも言われている仕様なのです。
欧州圏に比べて高温多湿な日本においては、少しでも涼しくしようという日本人特有の親切心から生み出された可能性が高いと言われています。
今では既製品においては夏は背抜き、冬でも背抜き位に大量に出回っていますね。
表生地ももう春夏なのか秋冬なのか分かりにくい生地ばかりが世の中に溢れてますから、年中無休で使っている人も多いことでしょう(良いか悪いかは別としてね)。
良し悪しを論じてもしょうがありませんので、単純に仕立屋さんとしてどちらをオススメするのかと言われれば、総裏となるわけですね。
もちろん、夏にジャケットを着用してパフォーマンスを最大限維持する必要がある時などは、背抜きで少しでもクーリング効果を望むのも悪くはないでしょう。
ジャケパンスタイルであるならば、裏地も芯地も何もかも取り外して仕立てることも出来るのですが、ビジネスシーンにおけるスーツスタイルではそこまではやらないほうが良いと考えますので、この背抜きまでがバランスとしてオススメ出来るということです。
- まとめ
オーダーメイドですから用途に合わせて作成していきます。
その為には色々とお話をしていき最良と思われる仕様にするのが一番ですね。
そして、そこまでなかなか考えられないってこともあるでしょうし、実際には事細かにシュチュエーションごとにスーツを決めている人はかなり稀なケースです。
そんな時は、ガチで使えるスーツと考えましょう。
その時にセレクトしてもらいたいのが裏地の仕様であれば総裏ってことですね。
ご参考にしてくださいね!
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