土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
愛着のある大切なスーツをいかにして長持ちさせるか?
そんなお話です。
その中でも今日はジャケットをどうやって長持ちさせるかについて。
- パンツよりも長持ちするジャケットの傷む箇所
ご存じの通り上下のスーツの場合ジャケットよりも先にパンツが傷んでしまいますね。
一般的にはこれが通常であり、物理的に致し方ないことではあります。
その為にスペアパンツなどの対策で寿命を延ばす方法がとられますが、ジャケットは永遠に使い続けることが出来るのかと言われれば、答えはもちろんノーです。
ジャケットも最終的には傷んでいきます。
出来ればジャケットもなるべく傷まないようにしたい。
そこで今日はポイントを絞ってお話いたしましょう。
その前提として。
現代におけるスーツに使われる生地は必ず傷みます
20世紀以前に使われていた生地と現代に作られ続けている生地はまったく別物です。
同じ耐久性はありません。
例外的にごく一部タフな生地は存在しますが、みなさんの周りに存在する、また我々オーダースーツに関わる人間が扱う生地のほとんどは傷む生地だと思って下さい。
これを前提とすると、何をすれば傷みにくくなるのか?
答えはこうなります。
なるべく摩擦を起きないようにさせる
これしかないのです。
ジャケットの修理のほとんどは転んで破けたとか虫食い以外ではこの摩擦による劣化がほとんどです。
具体的には、肩と肘から袖口の劣化ですね。
そう思いません?
この擦れる部分を保護してあげるだけで寿命は延びるのです。
- 肩掛けバッグとリュックは避けよう
リュックタイプのバッグがとても勢力を伸ばしていますが、大事なスーツを長持ちさせたいならオススメは出来ないです。
重たい資料やPCを持ち歩くなど大変かと思いますが。
最近は見かけなくなりましたが、肩パットがぐにゃりとつぶれるような重たいビジネスバッグを肩掛けする・・・これも分かりますよね?
さらにはナナメ掛けという猛者もいらっしゃいまして、この場合は肩だけでなくジャケットの顔というべきラペルまで擦れてしまうなんてのもあります。
トートバックも中身や使い方にもよりますが、推奨は出来ないです。
伝わっていますでしょうか?
負荷をかけつつも擦れてしまうと、現代のスーツに使われている生地は急速に劣化します。
ウールは程度の差はあれど自己修復能力があるのですが、その限界点をすぐに超えてしまいます。
イタリア、英国、国産、アジア、金額の大小問わず、有名無名に関わらず等しくこれが当てはまります。
ですので、なるべく手持ちないし、キャリーケースなどを利用することが望ましいです。
手持ちの場合はパンツにこすり付けるようにしていると、そこがケバ立ってしまいますのでご注意くださいね。
- ジャケットを脱いでデスクワーク
袖口から肘にかけて傷むというケースもかなりメジャーな擦れのトラブルです。
ここも対策としてはいかにして摩擦を減らすかにかかっています。
よってボクが推奨しているのは、デスクワークが中心となるならば、その間はジャケットを脱ぐのをオススメしています。
せっかくのお気に入りのジャケットですからずっと着用していたい気持ちは良く分かりますが、脱ぎましょう!
その場合、当たり前ですが、椅子の背もたれに引っかけるのはナシですからね。
ハンガーにかけておきましょうね。
そして、デスクワーク時には体温調整するためにカーディガンなどを羽織るのはいかがでしょうか?
一枚オフィスに常備しておくのがおススメです。
それならシャツも傷みませんしね。
カーディガンは傷むこと前提ってことで使いましょう。
ボクも出張先では一日スーツですが、スタジオで作業時にはジャケットを脱いでカーディガンを羽織っています。
- まとめ
お気に入りのスーツやジャケットは愛着を持って接してあげれば、それにこたえてくれます。
ぞんざいに扱えばもちろんその逆になってしまいます。
せっかくですから、ぜひ末永く相棒として活躍してもらいたいですよね。
これからの衣替えに合わせてご新調される一着がありましたら、ぜひ上記のことを思い出して労わって使ってみてくださいね。
きっといつもとは違ってくるはずです。
ご参考になれば幸いです。
また気になることがありましたら、お気軽にご連絡、ご相談くださいね!
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