ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
今日は少し生地のことについて説明しましょう。
ここ数年でオールシーズン生地というカテゴリが増えてきました。
夏でも冬でもないこの生地はどういう特徴があるのでしょうか?
- クールビズ文化と共に増えている生地カテゴリ
2005年に生まれたクールビズという言葉は瞬く間に日本の文化として定着しました。
本来は夏を軽装化で過ごしやすくして、省エネで二酸化炭素の排出を減らしましょうよという啓蒙活動だったのですが、いつの間にかこのクールビズという言葉だけが独り歩きし夏はネクタイはおろかスーツすら不要という文化になって今に至るのはみなさんご承知の通りです。
この夏はスーツ不要論とともにスーツ市場も当然変化してきました。
何故ならスーツが要らないということは売れないわけですからね。
ただ本当にスーツが要らないというわけではなくて、期間限定で夏は不要になるけど、たまに着用する機会もあるし、5月までは着用するよねという今までにないスーツ環境が生まれてきたわけです。
だったらそれまでの慣例であった春夏物というカテゴリよりも夏を省いたスーツの方が使いやすいのではないかとなりオールシーズン生地というカテゴリが増えてきているんですね。
クールビズがはぐくんでいるのがこの年間着用を可能とするこのオールシーズン生地なのです。
- オールシーズン生地とは夏は暑くて冬寒いけど春秋は最高にハマる生地のこと
通常のテキスタイルコレクションというのは春夏と秋冬という大きく分けて2つのラインナップにて構成されています。
これは既製服であろうが、ボクのような仕立屋業界であろうが共通です。
季節によって分けるのはこの2つしか今まではなかったのです。
ですから例えば、年明けの一月には春夏物を梅春という言葉遊びで販売しているということですね。
現代はもうそんな時代ではありませんから、現実に着用する季節の変化に伴ってこの春と秋口にベストな生地感という立ち位置の生地がもう一つの柱になりつつあるということです。
もっともこれは昔からありましたし、ボクもずっとオススメしてきましたが、ここにきて猛烈に増えてきているカテゴリなんですね。
生地感としては今申し上げた通り、春と秋がベストな生地感ですから、真夏は暑く真冬は寒いです。
もっとも真夏の着用は数回程度であるならば、十分に耐えられます(現実にボクは夏はオールシーズン生地のスーツを着用しています)。
真冬はスーツだけで過ごすことはなくコートを着用することで問題は無いでしょう。
無論真夏も真冬のどちらでも、装いとして全く問題がない着こなしが可能という着用期間を今までとずらしたところにフォーカスをした生地となります。
- いつ着用したいのか?
オーダースーツを作成する時のポイントとして、ボクがお伺いするポイントの一つとして「いつ着用したいのか?」があります。
ここを明確にしておくと良いでしょう。
これまで通り夏場も着用する機会が多い場合は、夏向け素材を選択する方が圧倒的に快適でパフォーマンスは上がるでしょう。
そして、このクールビズ時代で、夏季はスーツを着用する機会が激減するというのであればこのオールシーズン生地というカテゴリを選択する価値は大いにあります。
何故ならみなさんもご記憶されているとは思いますが、桜の咲く季節にまだ春夏物は肌寒いと感じるはずです。
またいかにも冬を感じるスーツは逆で装い的に気になりますよね。
そのタイミングからスーツを着用しないタイミングまでは非常に快適でしょう。
質感的にも安心感がありますから、自信が持てるでしょう。
そしてクールビズという言葉が終わる10月あたりから再び100%のパフォーマンスを引き出せます。
この段階においてもいかにも冬を感じるようなフランネル素材などは使いづらいはずですからね。
以上のことから、いつ着用したいのか?をちょっと考えてみましょう。
今いまさにクールビズだなって思われてスーツを検討しているならば、このオールシーズン生地をチェックしてみると良いでしょう。
もし気になられましたら、ボクまでご相談くださいね!
ボクも着用しているからこそ安心してオススメしています。
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