ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
コートをオーダーメイドで作成することが出来ます。
とても快適でシアワセになれるのがオーダーの良さですね。
- 今日はそのコート素材についてお勉強しておこう!
オーダーメイドである以上、テキスタイル(服地)であればどんな素材であろうが作成することは出来ます。
無茶な素材は当然作れませんので、あくまでも一般的な素材ってことです。
そして、なんでもいいのかと問われれば、もちろんなんでもいいわけはありません。
ただの起毛したスーツなどで使われるフラノ素材はコートでは役不足(ふにゃふにゃなコートになりますね)です。
コートにはコートにふさわしい素材というのがあるのです。
その代表的なのがビーバー仕上げのウール素材またはカシミア素材です。
- ビーバー仕上げってなに?
ウール(羊毛)ないしカシミア(山羊)、場合によってはビキューナ(ラクダ科)などの獣毛素材で生地は作られます。
これはスーツやジャケットと同じですね。
コートに使う場合はまず、ものすごーくざっくりと言えば分厚く作ります。
一般的な冬物のスーツ生地の1.6~2倍くらいの重さ、つまりボリュームで織り上げます。
ここまでは、なんとなく伝わるのではないでしょうか。
問題はここからです。
その織り上げられたあとに、これもものすごく簡単に言うと、あえて水につけて意図的に縮めてしまいます。
これを縮絨(しゅくじゅう)加工と言います。
わざと縮めて毛足の長い素材で織り上げられた素材は絡まって密度が高まるというわけです。
すると風を通さないから暖かくなりますよね。
そして丈夫にもなる。
その代表的な素材はメルトンなんていうのがあります。
ゴワゴワで重たいピーコートが有名(最近のフリースを使ったパチモンではなく)ですね。
ここまでもだいたい大丈夫でしょうか。
さらにここからもうひと手間をかける最終段階に入ります。
縮れっぱなしの生地の表面を梳(す)いて、毛並みを作ります。
あざみの実というイガイガの実を使うのが有名です。
余談ですけど、あざみの実という実際に存在するあざみとはちょっとだけ違うけどそういうヤツを使っているのです。
そして、最後に表面をキレイにプレスして、あのスベスベ、ツヤツヤな毛並みが出来上がるというわけです。
ものすごく手間かけているのですよ。
せっかくのオーダーメイドであれば、とりあえず作っちゃうよりもキチンと素材を選んだほうがより末永くお付き合い出来る一着になると思いますよ。
何着も仕立てることもないですし、一着あたりの寿命も長いのがコートです。
ちなみにこんなイメージになります。
こんな感じにね!
ぜひご検討してみてくださいね!
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