ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
スーツのパーツについてのお話です。
本切羽または本開きってご存知ですか?
袖口に付いてるボタンの部分のことを差すパーツのことですね。
以前にも何度かこの本開きのことは書いていますが、新年度と言うこともあるので改めて少しリライトしておきましょう。
この袖口のボタンホールのことを切羽(セッパ)といいます。
ここが本当のボタンホールになっていることを本切羽(ホンセッパ)または本開きと言います。
このような形でボタンが外せるようになっているということですね。
ボタンですから当たり前と言えば当たり前ですね。
- 本切羽って何か意味がある?
正直に言うと、飾りです。
これによって着心地、使い勝手などのメリットはなにもないのです。
しかしながら、それらの機能としてのメリット以上に得られるもののほうがはるかに大きいでしょう。
それは・・・
気分が良くなるということ。
袖口は実はかなり見られる部分なのです。
大きな会場で人前に立つ時などは正直ほとんど見えないとは思いますが、対面する場合、テーブル越しに袖口は見られます。
また少人数でのディスカッションなど、近い距離ではハッキリとそれが分かります。
キチンとしたスーツであることを、装いを正しくしていることを示すことが出来るのです。
営業支援スーツ的にはとても大事なことなのです。
それが自信となるでしょう。
ボタンホールですからこのように色遊びをすることも可能です。
自分が見ることはないでしょうが、対面する相手からの評価は変わるでしょう。
打ち解けた話の中でちょっとしたネタにもなるはずです。
また色遊びをするしないに関わらず、一番下のボタンを外して遊ぶ方もいらっしゃいます。
これはあくまでも許される場合のみですが、より存在感を示すきっかけにはなりますよね。
効能としてはあくまでも話のきっかけ作りと自分のいわゆるオシャレという自己満足ですね。
でも、これってとても大事な部分でしょう?
- 元々この切羽とはなんなのか?
諸説ありますが、ドクターが袖をめくりたいから袖にボタンを付けて外せるようにしたんだとか。
現代においては袖をめくることは無いですが(レディスにはめくれるようなターンナップカフはありますよ)、ジャケットとしての正統派としてこの切羽はあると良いとされているのですね。
ちなみに、本当のボタンホールではなく飾りになっていることを開き見せといいます。
この開き見せは既製品が一般化し、大量生産が必要になり普及しました。
これにも意味があって、工程を簡略化出来るので、量産化しやすいということ。
そして、袖の長さの補正がしやすいこと。
オーダーメイドと違って、すでに作り込む以上、補正する可能性が高いので、このほうが後々楽なのです。
ボタンホール開けちゃうと、補正がメチャメチャ大変なのですね。
もっとも既製品も進化していて、最近は袖はハーフ状態(未完成状態のこと)にしていて、購入する時に仕上げるなんてところも多いですね。
いずれにしても、この本切羽はボクはオススメしています。
せっかくのオーダーメイドであるならば、尚更所有する満足度が上がります。
それが自信に繋がるはずです。
感性に訴えかける部分になっちゃいますが、ココがとても大事ですね。
- おまけ
ボタンの付け方は最近は重ねて付けるのがかなり一般的になってきました。
ココアッソではね。
ボクの自前のスーツやジャケットもだいたい重ねて付けます。
これはその昔ナポリの職人が遊びで始めたのがきっかけなんだとか。
これって意外にメンドクサイので、一般的な付け方は重ねナシが多いと思います。
どちらがいいか悪いかはありませんから、お好みでいいでしょう。
ボクは重ねたほうが好きですけどね。
また色遊びをするなら、一箇所だけ変えるのがオススメです。
やり過ぎは禁物ですよ。
- まとめ
袖口は結構見られているポイントです。
自信に満ちたプレゼンをされるなら、商談をされるなら、女の子からカワイイって言われたいなら、本切羽を選ばれるのがいいでしょう。
参考にして下さいね!
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