土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
艶という概念が良質な生地として認知されています。
スーツとして仕立てるとセクシーな印象になりますね。
とても人気のあるカテゴリーです。
その艶とは言葉では単純ですが、実はいろいろな方法で織り上げられています。
まず単純に超高品質の原毛を使う方法
ちょっと難しいですが、経糸は強度保持の為双糸にしますが、緯糸は単糸にして風合いをよくする方法
その織り上げる糸の撚りを甘くして艶を出す方法
ウール以外の素材を混紡してしまう方法
とか他にもいろいろありますが、一口に艶といっても難しいのですよね。
そしてストレッチ性に関しても同様で、そんなに単純ではありません。
ウールという素材は元々縮れがあってその特性をスプリングのように利用してナチュラルなストレッチ感を出す方法や、薬品を使ってウールを改良する方法、近年一番多い方法はポリウレタンなどのゴム状の化繊を混紡するのが当たり前になっていますでしょうか。
ニット(編物)のような伸縮性はテキスタイル(織物)では難しいのですね。
そしてさらにはその艶とストレッチをウールのみで両立させるとなるととても難しいのです。
イタリアにジニョーネというミル(機屋)があります。
日本では既製品に少し採用されているでしょうか。
オーダーメイドの世界ではあまり認知されていない穴場的な優良生地です。
比較的若い会社ですが、この艶とストレッチを両立させているという点ではとても優秀です。
オーダースーツ屋さんによっては扱ってないかもしれません。
まだ知名度が日本ではそれほど広まっていないからこそ、逆にちょっとだけ自慢できるんじゃないでしょうか。
あまりジャケットの裏柄とか見せびらかさないと思いますけれども。
秋はスーツを楽しめる最高の季節ですね。
快適でありながら、艶やかな艶で上質さをアピールする一着。
一目見てオーダースーツと分かるスタイリングを楽しむ。
自己満足の世界ではありますが、それこそが醍醐味ですからね。
ジニョーネ、記憶の片隅に入れておくと、きっといいことありますよ!
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