土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
日本だけではなく世界でもっともラグジュアリーな生地といえばスキャバルでしょう。
スキャバルという会社はマーチャント(生地商社)といって機屋さんではありません。
その強みを生かして世界中で最良の織物を作れるところに発注をかけることが出来ます。
コストではなく一番上質な織物だけをラインナップしているというオーダー生地界隈ではトップに君臨しています。
品質管理は世界一とも言われていますからね。
そんなスキャバルだけでなく、世界のトップに位置するマーチャントやミル(機屋)は実はそんなにSuper表記を重視していなかったりします。
それだけが生地の良し悪しではないよってことですね。
オーダー生地を知れば知るほどこのSuperで表される数値が気になることでしょう。
高い数値のほうが優れていると感じるはず。
間違ってはいないですが、それが正解でもないのです。
例えばスキャバルの代表的なコレクションの一つであるイマージュはSuper100’sとなっています。
現代のスーツ好きにとっては物足りなく感じる数値かもしれませんが、実はこのSuper100’sはすこぶる良質なんですよ。
一般的にメリノ種の最高品質はだいたい120’sと言われています。
ちなみにこのSuperとは何か?
これは糸の太さではありません。
糸の太さは番手と言います。
このSuperとは簡単に言えば、羊から刈り取った綿の状態の品質を表したものです。
その羊から100’s以上の品質の原毛なんてそうそう取れないのです。
そして、大事なのが本当にその品質の糸を丁寧に紡績し、織り上げて、キチンと仕上げているかということです。
これを手間暇かけて丁寧に仕上げていく。
そうすると汎用生地とはまったく違う質感の生地に仕上がります。
とどのつまるところ、やっぱりその為のコストは必要ということになってしまうのですけれどね。
ハイランクの生地は汎用生地クラスの高Super表記に劣るように感じてしまうかもしれませんが、むしろ逆でスーツに仕上げたときにその差を感じることでしょう。
もう少し言えば、ハイランクの高Super生地が本来のポテンシャルを発揮する本物と言えるということに・・・
果たしてその良すぎる生地が現実的な使用に耐えられるかは別ですけどね。
スキャバル、ドーメル、ハリソンズなどぜひ一度仕立ててみてもらいたい生地ですね。
確かにココアッソではハイラインになってしまいますが、その価値は十二分に感じていただけるでしょう。
特にスーツを楽しめる秋冬物をご検討されているのであればぜひ!
オススメです。
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