土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
春に向けてどんなスーツを作成しようかな?
と、お悩みのみなさんが結構いらっしゃるのではないでしょうか。
なるべく正解を選びたい。
これは誰もが思うところでありますからね。
とはいえ、オーダーに慣れ親しんでいるマニアならいざ知らず、そこまで上級レベルに誰もがたどり着けるわけではありません。
またテーラーに下見にいくこともなかなか出来ないでしょう。
生地だけ見せてくれって言いにくいですからね(ボクのところは全然オーケーなんですけど)
ということで、ネット上を調べていらっしゃるはず。
ところがなかなか良質な記事に出会えないのも事実でしょう。
だいたい生地のプロではないライターさんがまあまあ薄く書いた記事がSEOで上がってしまっていますから。
ということで仕立屋さんが正しくこの春にどんなスーツを作ろうかとお悩みに対しての解決の一つであるオールシーズン生地についてのお話。
- 時代の求めで進化するオールシーズン生地
クールビズという言葉が生まれた2008年以降、夏にスーツを着用するという概念がどんどんなくなっていきました。
今ではまず夏にスーツを思い浮かべる人はまずいらっしゃらないでしょう。
それ以前は夏用の通気性の良い生地を日本の生地メーカーなどが開発してTVCMまで流していた時代もありました。
ミユキ毛織のシャーリックとかね。
夏にスーツを着用するという需要が無い以上、そんな生地は作っても売れないわけで、どこに活路を見出すかと考えると春と秋になっていきます。
そうオールシーズン生地というのは春と秋にフォーカスした生地のことを差します。
このスーツだけで快適に過ごせる季節、気温、気候に合わせた生地感を持ち合わせている生地が今ではメインストリームになっています。
このオールシーズンとは?
薄手の冬物組織の生地
となります。
そう前回も少し書きました・・・
春物も夏物も秋物も冬物も基本はみんな同じウール(羊毛)から作られています。
同じウールを使っても通気性を良くして熱を逃がしやすくすることも出来るし、その逆に保温性を上げることも出来ます。
この特性を利用して今までは季節ごとのスーツを作っていたのですね。
その特性を暑いか寒いかに振り切るのではなく、ちょうどその中間くらいに合わせてきている生地を全般的にオールシーズンと呼びます。
特性は冬物生地組織である綾織物を薄くしたものになっています。
夏生地組織を厚くするものも一部ありますが、ほぼ存在せずに冬よりにしています。
なぜか?
使わない夏よりも、冬も重ね着でなんとかなるでしょう?という考え方があるからです。
今年も寒い日は何日かありましたが暖冬でした。
このオールシーズン生地でも場所にもよりますが十分に過ごせるように設定しているのです。
オールシーズンですから当たり前ですよね。
逆に夏はちょっと我慢して頑張ろうという考え方です。
- 仕立屋さんとしてオススメ出来るか?
ハッキリ言います。
オススメ!
です。
ボクは正統派の仕立屋です。
正しい知識と経験を積んできたボクは間違いなくオススメします。
理由
ちょうどいい
そう時代に一番マッチしている生地がオールシーズンでしょう。
マニアご用達のビスポーク(完全注文服)といったテーラーからすると気に入らないはずですが、時代が求めている以上これが一番良いです。
普通にリアルな日常使いのスーツであればベストではないでしょうか。
もちろん用途や立場、立ち位置によって答えは変わってきますが、それはそれでオーダーメイドである利点を生かしてその為の一着を仕立ててればよいだけで、春にどんなスーツを悩まれている方には最高の一着になるでしょう。
オーダーの魅力は答えは一つではありません。
選択肢は沢山あります。
あとは実際どうなのかは実物に実際に触れてみることをオススメいたします。
冬物と夏物とオールシーズがどんな感じなのか触れてみないと分からないですから。
あとは勇気を出してテーラーに足を運んでみて下さいね。
ちなみにココアッソは予約制にしていますので、じっくりと生地を見比べていただけます。
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