ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
今回は2部構成ですから、前回のおさらいがまだの人はココから。
今選ぶべきスーツの生地は、平織か綾織のどちらが最適なのか?パート1
春と夏は何が違うのか?
最初に答えを言うと、基本的には同じだということ。
春だと言えば春になるし、夏のだと言えば夏になるというのを前回書きました。
そして、それら判定するのは平織か綾織かということになるということも書きました。
- ではどうすればいいのか?
上記に挙げた通り、今この世に存在する、スーツないしジャケットの服地は、平織か綾織のほぼ2択となります。
ほぼなので、100%でないですが、まずこれで言い切っていいです。
もう一度おさらいしますが、織り密度が高いのが、綾織です。
その分ツヤが出やすい。
そして、平織は通気性が高くなります。
その代わり、マットな風合いになります。
ということは、着用したいスーツに何を求めるのか?ということから考えてみるといいでしょう。
自分が着たい、または着るべきスーツに何を求めるのか?をリストアップしてみましょう。
その中で、何が最優先事項に上がるかで判断します。
- 判断する時のポイント
そして、これはボク個人のオススメですが、ビジネススーツとして4月に衣替えをキチンとするならば、平織がいいでしょう。
理由は、そのまま夏をまたいで、10月まで着用出来ます。
これが何を意味するのか?
シーズンを明確に分けることが出来るので、その分スーツにかかる負荷が分散出来るというメリットがあります。
一年の内の6ヶ月を着ればいいので、寿命が延びます。
6月から完全クールビズになり、次は10月という人は、綾織(オールシーズン)を選択肢に入れてもいいです。
入れてもいいというのは、個人差があるから。
気候の変動も読めないので、100%にはしないほうがいいです。
そしてこの場合はいつのタイミングで作るのか?というのも判断材料でしょう。
仕上がっても全然使わないという場合もありうると思いますからね。
では、今から夏を想定して作るなら、何を選ぶべきか?と問われれば、これは平織を選択するべきでしょう。
そして、もう少し細かくボク個人のオススメでお話をするとすれば、パリパリしたハリコシ感のある素材のほうが、体感的に涼感が得られやすい。
一般的に織り上げる前の糸は強度を得るためにヨリをかけます。
イメージとしてはしめ縄みたいな感じです。
そのヨリを強くかけた撚糸を使って織り上げるのが、パリパリっとした風合いになります。
日本は欧州と違い夏場の湿度が高いので、しっとり系の平織はペタっと張り付き感を感じる場合があります。
近年夏の織物であっても滑らかな素材をどこの企業も前面に打ち出しているということもあり、世の中にはしっとりした風合いの素材がとても多いですが、高温多湿な日本の気候にはハリコシ感のある素材のほうが快適だと判断しています。
これにはもちろん個人差はありますよ。
着用条件によって、どちらがいいかの評価は分かれます。
装いとして、着用する場においてどちらがベストなのかから決めるといいでしょう。
- まとめ
ちょっと強引にまとめに入ります(苦笑)
まず、自分にとって一番求める要件を一つだけ決めてみましょう。
ココがとても大事で、なんでもすべて満たすことを考えてしまうと何も得られなくなってしまう半端になりかねません。
相反することを全部詰め込むことは出来ませんから、最優先で必要な要件を絞り込むと見えてくるでしょう。
例えば夏に上着を着用することが最優先とか、夏はパンツだけで秋から上着を着る、またはレセプション、コンペでプレゼンを何月に行う、披露宴のパーティに着用するなど具体的に用途を考えてみるといいですね。
そして、それらがまとまってきたならば、ボクに相談すると答えが出てくるはずです。
ボクが手元にあるだけでも選べる生地は数千はあります。
その中でベストな方向性を絞り込んでいきやすいということです。
答えが見えてくると思いませんか?
平織である場合はベストな場合もあるし、夏でも綾織がベストな場合もあるということです。
オーダースーツというのは、それぞれ目的に合わせて、無限ともいえる組み合わせで作成出来るのですから、目標を見定めて最適な一着にしていきたいですね!
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