ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
オーダースーツを作るにあたって何を基準に生地を選ぶべきなのか?
既に何着も仕立てていて、オーダースーツのことがわかっている人でしたらまったく問題がないと思います。
しかし、初めてオーダースーツを作りたいと思った時、その最初の一着をどうするか?
何を基準に選べばいいのか?って悩むと思います。
それが楽しさでもあるのですが、基準となる部分が見えてこないとどうしていいかわからないですよね。
そこでどう選ぶのがポイントなのかを一つ上げてみたいと思います。
- 生地ブランドで選ばないという選択肢が正解
オーダースーツを作りたいと思って調べてみると、実に様々な生地ブランドが見つかることでしょう。
そして、その生地ブランドを売りにしているお店が沢山見つかるはずです。
そして、それらが全てを物語っているように思えてくると思います。
調べればその生地の専門店までありますからね。
果たしてそれが全ての人にとって正解なのか?
万人すべてがそうではないのです。
例えばゼニアという生地があります。
オーダースーツの世界では最も名の通っている生地です。
非常に優秀です。
どこが劣っているというところは特段見当たりません。
ですが、すべての人に合うのか?と言われればそうではないのです。
ゼニアと言っても、そのコレクションは多様です。
今の時期であれば、トロフェオ、トラベラー、クールエフェクトあたりが人気でしょうか。
他にもいくつかありますが、それが全ての人に当てはまらないということです。
ほとんど網羅しているんですが、そうではないんです。
ゼニアではないほうがいい場合もあるということです。
それが装いであり、身だしなみであり、営業支援スーツという概念ということです。
人それぞれ、背負っている立場があり、表現したい自分があるはずです。
オーダースーツで自分を表現するということは、そのあるべき姿がどうなのかを見極めなくてはなりません。
ただゼニアブランドのスーツが欲しいのならなんら問題はありませんが、そうではないと思います。
少なくともボクにお仕立てをご依頼頂いている方は、ほとんどがブランドの指定はありません。
レアなあまり出回っていない生地もあるので、その場合は例外ですけどね。
- なりたい自分、自分のあり方をスーツで表現する
本気でなりたい自分をスーツで表現する為には、ブランド縛りをしないほうがうまくいきます。
これは長年数多くの人をお見立てしてきたからこそ断言出来ます。
そして、今この世の中にある、少なくとも日本で手に入る生地のどれもが正解ととらえるほうが結果として最短で答えに近づいていくでしょう。
どれも優秀なんです。
そして、みんな微妙に特徴があって、向き不向きがある。
得意とする分野がありますし、そして装う人によってそれもまた違うはずです。
だからこそオーダーメイド足りえるのだと思います。
スーツであり方を表現するには、どれをチョイスするかが重要です。
- その為には、キチンとコミュニケーションを取ることが大事です
ブランドありきでお話するスタッフさんではなく、もう一歩踏み込んだお話が出来るほうがいいです。
当然予算もあるでしょう。
それらも含めてすべてをお話してもらえること、それらにキチンと正面から向き合ってくれることがなにより大事です。
何もない状態から作るのがオーダースーツです。
ただ言われるがままに出来上がるだけのオーダースーツなのか?
明確なコンセプトを導き出して作り上げるオーダースーツなのか?
オーダースーツという点では同じでも、モノとして存在としてはまったく別物になるはずです。
そして一着は一着です。
気に入らないからと言って、そんなにポンポンと買い替えることはないでしょう。
そして、本当の意味でのオーダースーツというものがどんなものかという判断基準がブレていってしまうでしょう。
ただのオーダースーツが価値判断基準になってしまうと、生涯それがベースになってしまいます。
ヒヨコ理論と同じです。
だからこそ、キチンと対話が出来る仕立屋さんを選んでもらいたいですし、そこには自分のあり方を表現する為にブランド押しではないところをフォーカスしてくれるほうがよいと思うのです。
ボクはその一歩踏み込んだところでスーツを仕立てています。
ちょっと売り込みみたいでしたね(苦笑)
真面目にオーダースーツをご検討されているならそのあたりをポイントにしてみてください。
調べれば調べるほど、ブランドのオンパレードになると思いますが、少なくともこの記事を読んでいただいているということは、そうではないところを考えていらっしゃるからだと思います。
どうぞよいオーダースーツライフが送れますように!
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