土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
パンツの腰位置を今一度確認してみよう
長年このお仕事をしていますが、その際にこの質問をほとんどの方にしています。
というのも以外にも結構気が付いていない部分だからです。
パンツの腰位置
いざ言われるとみなさん「あれ?」となります。
とても大事な部分だけどいざ問われると困ってしまう部分です。
なんとなくこのくらい?的に曖昧にしてしまう部分でもあります。
ところがパンツシルエットや長さ、履き心地を決めるうえで一番大切な部分ですよね。
そしてジャケットを着用しない時期はとても目立つ部分でもありますので、今一度確認してみましょう。
- 自分の記憶している感覚的位置と実際のパンツの理想的位置の誤差を知る
まず大切なのは今自分が無意識化で履いている位置がどこなのかを確認してみよう。
確認するにあたり全身鏡は必要です。
自分で自分を見ないとわからないですからね。
その上で、まずは自分が無意識に履いている、または履こうとしている位置はどこなのかをチェックしてみよう。
ほとんどの人は明確にココという位置を決め切れていないはずです。
だから「あれ?」となるはずですがもちろん大丈夫です。
今日で変われるのですから。
では改めてその位置を見たときに違和感があるかどうか?という視点で見てみて下さい。
感覚的にカッコ良く見えないとか、何かが違うようにみえるとか。
これは以前からお伝えしていることですが、どんなパンツも元々はカッコ良く見えるように設計して作られています。
ですからパンツが良くないのではなく、カッコ良くない履き方をしている場合が多いということです。
ほんのちょっとだけ変えるだけで見違えるようになるのがこの腰位置です。
例えば一番多いのが腰位置をグイグイと上げてしまう。
おしりが食い込んでしまうくらいに上げる人もいらっしゃるくらいに多いです。
もしくはベルトをひたすらギュッと絞るように締めてしまう人。
これも自動的に引き上げてしまいますので、カッコ悪くなる可能性が高くなります。
この場合、まずは意図的に腰位置を余分なシワや食い込みが無くなるくらいに落としてみてください。
現代のパンツの腰位置は自分が認識している位置よりも低い位置がベストポジションになっている場合が多いです。
もちろんその逆もあるわけです。
近年のレディスパンツにあるようなハイウエストパンツもメンズ市場に出回り始めています。
流石に気が付くと思いますが、その場合は意識して腰位置を高くしていく必要があります。
ということで、やるべきことは伝わりましたでしょうか?
そのパンツがカッコ良く見える位置に腰位置をあわせてみよう
もしその時にウエストがキツい、ユルいとなっていればそれはサイズが合っていないということですから調整が必要なわけです。(ココアッソでもお直し受付してます)
では実際に画像でどんな風に見えるのかを比べてみましょう。
まず正面から見たところです。
これは上段が適正位置で下段が意図的にグイっと上げています。
指で指しているところはおへその位置で、ボクがこの撮影で作成したパンツの適正位置の目安となります(人によってこの適正位置はもちろん変わります)。
次に横から見たときに画像になります。
これも上段が適正位置で下段が引き上げた画像で、指を差しているところは腰骨が出っ張っている場所になります。
これはどちらの位置が正しいのかではなく、このパンツの適正位置はどこなのかということです。
つまり下段の画像の位置を適正位置にしたい場合はそれに合わせたパンツを作成するということです(仕立屋さんですので)。
そして次が分かりやすい後ろ姿の画像になります。
正面と横からの画像とは違ってもう言わなくても大丈夫ですよね。
先ほどの画像の位置のまま後ろを向くとこんな感じで腰位置を引き上げてしまっている下段の画像はおしりが食い込んでしまっています。
結構見かけますがみなさんはどうでしょうか?
ここからまとめていきます。
既製品はパンツに合わせた履き方や履く位置を変えることが必要となります。
現代のパンツは非常にデザイン的なバリエーションが豊富な時代になってきています。
股上が浅いパンツも深いパンツもいろいろあります。
それは当然履く位置が変わるということです。
それを念頭に置いたうえで試着してみてください。
ウエストサイズが丁度いいから合っているということではなく、そのパンツが一番カッコ良い位置で履いた時にウエストが合っているかどうかってことですからね。
つまり単純にウエストサイズからパンツを選ぶと間違えたサイズになる可能性があるということです。
例えば、その気になったパンツが股上が浅めだった場合、いつもよりも低い位置が適正となります。
するといつも腰骨の上のくびれた場所で履いていたちょうどいいウエストサイズよりも腰骨の横で履く(ボクが画像で説明したような感じだとする)ことになり、その腰骨の分だけパンツのウエストサイズは大きくする必要があるわけです。
恐らくワンサイズ分くらい(いつもは85センチだとしたら88センチくらいが丁度良くなるでしょう)大きくなるのがジャストになるかな。
実際に試着した際はこの腰部分を自分の思い込みの位置ではなく、どこが適正なのかをじっくり見極めて履いてみるのが鉄則です。
店員さんが急かすかもしれないけど慌てないことです。
裾上げの時もじっくり腰位置を決めていこう。
もしそれでしっくりこなければそのパンツは自分には合っていないということになり次を探したほうがいいでしょう。
そして、ボクが作成しているオーダーメイドの場合は、どこで履きたいのかを確認してその腰位置に合わせた股上の深さを決定しています。
もちろんタックの有り無しやヒップ回りやワタリ幅のバランス、反り腰や受け腰などの補正もしていきます。
ですから既製品とオーダーメイドは同じではないと考えておいてください(パターンオーダー屋さんはそこまでは出来ないと思います)。
より自由度が高いので迷うかもしれませんが、この場合もボクはじっくり決めていきますから大丈夫です。
ちなみにこれも以前からお伝えしていますが、ベルトは絞るものではなく添えるものです。
これも気が付けるかどうかはとても大切です。
あくまでもアクセサリーの一つであり、無理に絞ってもカッコ良くはありません。
ですからちょっとズレるかもしれないくらいの緩さでベルトを締めてみてください。
逆に言えばよりパンツのウエストサイズはしっかり合わせようってことですね。
ジャケットを着用しない時期はパンツのカッコ良さが大切になります。
どんなパンツもカッコ良くなるように作られています。
あとはそれを最大限に活かせるように履きこなすことを意識してみましょう。
世の中には沢山の種類のパンツが存在しています。
その中で自分の理想となるパンツをぜひ見つけてみてくださいね。
その為にはネット通販ではなくて、リアルストアで実際に試着してみるのが一番です。
もしくはじっくりカウンセリングしながら作成をすすめていくココアッソに相談しよう!
快適なパンツに出会えると最高ですからね!


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