土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
今年のお正月に福(服)を手に入れてきましたのでご紹介。
結構気に入っていまして、今回はいろいろと細かく解説していこうと思います。
PYRENEX ピレネックス
COVERT コヴェール
そうみんな大好きダウンジャケットといいますかパーカーです。
実は現在の今季モデルはコヴェール2となっていますが、ボクが手に入れたのはコヴェールとなっていまして型落ちになるのかな?
ただ正直なところマテリアルやデティールの違いは分からないです。
微妙にパーツの違いが一か所見受けられるくらいでしょうか。
基本同じではないかと思いますので、気になっている方には参考になるのではないでしょうか。
コヴェールは、キルトステッチの無いシンプルで洗練されたデザインに大きめのフラップポケットが特徴的なダウンパーカーです。シェルにはふっくらとしたダウンの特性を活かすナチュラルなストレッチ性を持つソフトな素材を採用しており、軽さを損なうことなく上質なフレンチダックダウンが身体を包み込むような暖かさを十分に堪能できます。腕を動かしやすいラグランスリーブにゆとりのあるフィットで、快適な着心地です。 -公式ページより-
- デティール
・まずカラーはDEEP KHAKIというモスグリーン色というのが一番分かりやすいでしょうか。
ミリタリー調に感じる色合いが絶妙にいい味を出しています。
これは今期モデルのコヴェール2でも継続なのかほとんど同じで展開していますね。
全体として表面は縫い目が見えないようになっているモデルになっていまして、これが結構いい感じのシルエットになります。
この表面に使われてるのは環境への配慮なのかリサイクルポリエステル100%で微妙にストレッチが効いているかなり薄手の布地ですから、ゴワゴワしたアウトドアのいわゆるハードシェル素材とは全く違います。
そして見えない部分なのですが、この表生地の裏側にポリウレタンフィルムを張り付けていると表記があります。
結果性能として、HIGHLY WATTER-REPELLENT(強撥水)、WINDPROOF(防風性)、BREATHABLE(透湿性)を確保している表記があります。
この表生地単独では判別しようがありませんが、防水ではないにしろ撥水性は確かにあって、もちろん風は通さないですから十分過ぎる防寒性がありますし、ムレ感もそんなに感じないかな。
このあたりはゆったりしたデザイン特性からくる空気の抜け感も影響があるでしょうけど、バリバリのアウトドアスペックではないしそれを求めていないけど、これは欲しいよねっていう性能をもっている生地になっています。
それよりもリサイクル素材でありながらこのソフトな風合いにこの色の発色が素晴らしいです。
・袖口は内側あたりがギャザーになっていてもちろん冷気を遮断してくれるのと同時に、ベリベリ音がするベルクロがありませんので質感が良いのです。
このギャザー部分が直接手首に触れるとこのシワシワ部分が慣れるまでは違和感はありますが、手袋がしやすいこの形状はいいですよね。
・フロントポケットには大型のフラップが目立ちます。
これは一か所だけスナップボタンが付いていてこのフラップをめくることも出来ますし、めくると手を入れやすくするファスナー付きポケットがあります。
ファスナーは専用のジップにしていますがおそらくYKKでしょう。
そしてポケット内部は両面がフワフワのボア仕様になっていますので、完全なハンドウォーマーとして機能しますし、このポケットの設置場所とナナメ形状と相まって手を入れやすくこれは気持ちいいので最高です。
・フロントのジップには冷気遮断の比翼仕様になっていて、この比翼部分にも中綿が充填されています。
そしてこの比翼を留めるスナップボタンが軽い力でパチンと留まるのが素晴らしいです。
力入れないと留まらない、外れないだとちょっと面倒ですし、生地傷めそうですからね。
もちろんジップはダブルでこれもロゴ入りの専用品になっていますが、これもおそらく信頼のYKKでしょう。
ちなみに今期のコヴェール2では何故かピレネックスロゴの専用品ではなくYKKの汎用品になっていますがどうしてなんでしょうね。
・裾口とフードにはドローコードが付いていてより防寒を高めることが出来ます。
街着としてであればこれを使ことはないでしょうが、ちなみに留めるパーツは裾口はプラスチックでフード部分は金属と見える部分は映えるようにしていますね。
・フードは一体型になっていて、個人的に気に入っているのはフードの内側に首周りにフィットするエリが付いているところでしょうか。
首を暖められるかどうかで寒さの感じ方が随分違いますからそのソフトな風合いの生地にふんわりダウンが首周りにフィットするとかなり幸せを感じます。
デザイン的にもだらしなさが無くなりますのでオトナな雰囲気の演出にも寄与していますね。
・左胸に内ポケットが一つ、これはYKKの汎用品でそんなにモノは入れないですから十分でしょう。
・裏側も縫い目が見えないように一枚裏地を当てていますので、羽毛が飛び出してくることはないと思われます。
また全体的にはダウンのボリュームはかなりあるのですが、何故か背中はあんまり充填されていないスカスカした感じになっています。
寒くはないけど、他部位がかなりたっぷりとダウンが充填されてるぶん暖かいのでこの背中だけがどうも寒く感じるのが少し気になるところではあります。
・見たことがあると思いますが、ロゴは左肩にフルトパッチが一つだけつけています。
内側にはピュアフレンチダウンであることと、ユーザーは追跡出来ないのですが、正しく採取したダウンであることを証明することが出来ると言われているバーコードなどの表記が縫いつけられています。
そしてサイズは分かりやすくSML表記でボクはMサイズをチョイスしました。
サイズ的にはSでもいいのですが、このモデルはピタッとするのではなくゆったりとしたシルエットなのでそれを活かすにはこのサイズがベストかなという判断です。
- 着るととっても軽く感じる極上の着心地
手に持つとそれなりにずっしりくる重さはあるのですが、羽織るととても軽い。
ソフトな素材を使っているのと、ゆったりしたシルエットとサイズ感も相まって、とても着心地がいい。
もうずっと羽織っていたい。
それくらい極上のダウンパーカー。
デティールでいえばラグランスリーブであることもかなり影響しているでしょう。
これは通常のセットインスリーブというボディに袖付けするのではなくその昔ラグラン将軍がケガをした兵士がラクに羽織れるようにと開発した袖付け方法のことです。
このコヴェールはこの袖付け方法だからなんでしょうね。
快適です。
シルエットは裾にかけて広がりをみせるかなりのAラインになっています。
ですが裾口あたりの内側はダウンが膨らんでしっかり密閉しているのでそこから冷気が侵入してくるような感じはしません。
ジップファスナーの上げ下げも軽いので調整がラクに感じます。
目一杯上げるとそんなに首を圧迫するようなことはなく、顎下あたりで留まるくらいの高さになります。
唯一気になるのはその時にジップの先端をカバーする布地がないのと、スナップボタンがむき出しになっているので、微妙に顎に当たって冷たい時がある。
ココをユーザーフレンドリーな設計にしてくれたら文句なしでしょう。
- ダックダウンとグースダウンの違いは感じるのか?
おそらくピレネックスが気になる方はこのダウンの質がどうなのかを知りたいのではないでしょうか。
いろいろな情報が飛び交っているのですでにご存じな方も多いことでしょうけど、このピレネックスという会社は元々はダウンの製造工場です。
そしてモンクレールにそのダウンを供給している会社とのことです。
そしてそのモンクレールにはグースダウンを、そして自社のピレネックスにはダックダウンを使っています。
果たしてこの差はあるのか?
ちなみに何のことかと言いますと、ダウンというのは陸鳥にはなく水鳥の胸に生えている羽毛のことを差します。
そしてその採取出来る品種がガチョウ(グース)とアヒル(ダック)となるのです。
このどちらが優良かと言われれば、お布団屋さんでも見たことがあると思いますが、グースのほうが優良でお高くなるのが一般的です。
それはガチョウのほうが個体として大きく、そこから採取出来る羽毛も大きくなるため、必然的に空気を多く溜め込むダウンの良さを引き出すことが出来るということです。
では、ピレネックスのダウンはダックですが、どうなのか?
グースダウンジャケットも保有しているボクの意見として。
変わらないし、違いも分からない
ハッキリ言って粗悪なパチモンではなくキチンとトレーサビリティもあるピレネックスのダックダウンは目隠しされて比べたとしたらまず分からない。
それだけフワフワしています。
公開しているデータでは750フィルパワーですからダックの限界値を引き出す品質になっていますので、ボクには違いが分からないくらいに良いと感じます。
あとはこれはフィルパワーだけじゃなくダウンウエイトといってどれだけダウンを詰め込んでいるかというのも大事ですからね。
高品質グースで中身がスカスカよりもみっちり充填したダックのほうが暖かいし包まれた時の安心感もはるかに上でしょう。
しかもそのダウンがピレネックスの自社で管理している優良品ならばなおさらフワフワなのは当然なのです。
関係ないですけどボクが使っている布団もダックです。
ターナー嫁さんはグースです(苦笑)
でもボクの布団のほうがフカフカしていると感じます(苦笑)
もしどうしてもグースが欲しければモンクレールや他に行けばいいだけですし、だからといってピレネックスが劣ることもないです。
これはボクも数年前からずっどピレネックスのこのダウンの品質について気になっていたことですが、実際に自分が所有してみて何の問題もないということを実感している次第です。
- そろそろまとめよう
普段のボクの本業であるオーダーメイドのことはこんなに長々と書かないのに、ダウンの話になると止まらなくなってしまします(苦笑)
ピレネックスのダウンはどのくらい前でしょうか、一部のセレクトショップが扱うようになってから、お約束のように毎年見かけるようになってきましたので気にはなっていました。
ただそのマーケティング的なやり方とかがちょっと鼻につく的と言いますか、食わず嫌い的なことがあって手を出しずらかったのです。
もっと早く素直になっていればよかったかなと(苦笑)
ピレネックスのアイテムは結構種類があって、その種類ごとにかなりコンセプトが違いますので、気になりましたらまずは試着してみることをオススメします。
ネットだけの情報を鵜呑みにしないで実物に触れてみて、試着してみたほうがいいでしょう。
ボクが今回チョイスしたのはCOVERT(コヴェール)という種類で、寸法的にはゆったり着ることを前提にしたサイズ感で仕上げています。
別の物は結構タイトにしているものもありますし、試すのが一番ですね。
目安は日本のサイズ感と同じ感じでいいんじゃないかなと思います。
この辺は理にかなっていますね。
そろそろピレネックス、どうしようかな~とお悩みでしたら手に入れて損はないかな。
ボクは初売りということで昨年モデルがちょっとお得だったので、衝動買いしてしまいましたが。
素直に良いダウンですよ。
- おまけ
今回撮影に使っていたパンツはイタリアのカノニコ社のCOVET 21μです。
こちらはカバートなんで言われていますけどね。
読み方が違うだけなんで、せっかくなんで合わせてみました。
誰も気が付かないけど、自分だけの満足感を高めてくれるという意味で楽しむことも大切です。
ぜひピレネックスのCOVETをゲットしたらココアッソでカノニコのCOVETを使ってお仕立てしてくださいね!
お待ちしています!
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