土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
愛のあるスーツはパンツシルエットも最高です!
ということで先日のTさまの逸品のパンツの部のご紹介でございます。
- ただウエストを合わせているだけがオーダーメイドじゃない
ただのパターンオーダーではウエストの調整とタックの有無くらいしか選択肢はありませんが、それでは愛のあるパンツにはなりません。
真に体に合わせてるというのは奥が深いのです。
パンツの基本はあくまでもヒップ周りの大きさから計算していきます。
そこから股上の深さとそこから割り出されるウエスト部分のとの差、腰骨にどのようにフィットさせるかという局面を描けるかどうかにあります。
業界では一般にウエストとピップの差寸をドロップと呼びます。
股上が浅くなるとウエストのくびれではないもっと下で履くことになりますからこの差寸は少なくなりますし、極端に深くしていけば一般的な体形であればこの差寸は大きくなります。
そこにヒップの局面から前後の股上の深さ調整を行い、作成していきます。
そこにタックの有無によってさらに調整していくことになります。
今回のTさまのパンツはワンタックにて作成しておりましてご覧のようなシルエットが完成しました。
オーダーメイドの場合どのようなパンツにしたいかによって当然シルエットも履き心地も含めたゆとり量も違ってきます。
またワタリ部分から膝回り、ふくらはぎ、スソ幅やその股下の長さも求めるところは違いますので一概には言えませんが、どこかにへんなシワや引っ張り感、ダブつきがないのがやっぱりキレイですね!
注意したいのは極端に細くしていきたいという場合。
裾幅まで細すぎると座れなくなります。
膝が突っ張ってしまい、特に汗ばむ夏季シーズンはストレスになるでしょう。
また立ち上がった時も裾がめくれた状態で張り付いてしまうこともあるでしょう。
好みの問題ではありますが、ボクはバランスが大事なのでそのあたりをチューニングしています。
そうすることによって仕上がったパンツはどこにも負荷が掛かりませんので履いてしまうともうそうではないパンツには戻れないででしょう。
細かく見ていくと、ウエストのオビの後ろにはVスリットを入れています。
ほんの少しですが、このほうが座ったり、しゃがんだ時にラクになります。
そしてさらに細かいところとしては、リクエストで左右にボタンを付けたピスポケットにしています。
通常は利き腕のほうが釦ナシにしてハンカチを差し込めるようにしますが、このあたりはお好みで取り付けます。
また蓋つきなどもありますが、基本は打ち抜きが良いでしょう。
フロント部分にはチーループというベルトがズレないようにするループをリクエストで取り付けています。
万人が必要ではないですから、これもお好みで取り付けます。
ちなみにベルトループの取り付ける高さは腰位置そのものが標準としています。
極端なハイウエストにする場合は、少し下げ気味にしたりと調整をします。
あまりないですけど、大昔のボンタンのあれですね。
そして、あまり見えないですが、よーく見るとパンツもフルステッチ仕様にしていますのでサイドの縫い目がアクセントになっていますね。
余程のマニアでないと気づかれない部分ではありますが、こういう部分が大事なのであります。
あとは言われないと誰も分からないところではありますが、柄を合わせているのがお分かりでしょうか。
まるで自画自賛のようになってしまいました。。。
今回もTさまから是非にということで記事にさせて頂きました。
その際に様々な画像を撮影させて頂きまして、ありがとうございました。
基本はゆるく楽しくオーダーメイドを楽しんでいただけることを目的としてココアッソを運営しております。
難しい知識やウンチクはまったく必要はございません。
それらはカウンセリングの中でボクの頭の中で構築していくことです。
あとは仕上がった一着でテンションを上げて頂ければ、ボクも嬉しくなるという流れです。
関連記事もございますので、よろしければお目通し頂けますと幸いです。
そろそろ自分に合ったスーツに出会いたいなと感じておられましたら、お気軽にご用命くださいね!
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