土方洋(ヒジカタヒロシ)ニックネームのターナーです。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
シャツ一枚で過ごせる季節。
そのシャツで一日を過ごすともなると、ただのシャツとそうではないシャツで結果が変わっていきます。
シャツがジャケットのようなポジションにありますから、ここは手を抜いてしまっては一流の世界には届きません。
また肌に触れるアイテムだからこそ自分そのものが現れるとも言えます。
自分のコンセプトにあったシャツを使っていきましょう。
そこで世界で自分の為だけのシャツを作成しようと思った時に迷うポイントの一つになるであろう胸ポケットの有無。
これをどうするのか?を仕立屋さん的に解説致します。
- 胸ポケットはあっても無くてもどちらも正解
最初にボクの回答で言えば、胸ポケットはあっても無くても、どちらも正解となります。
このポケットの有無で自分の評価が下されることはないということです。
マナーとか装いとか、ルール的にも問題ありません。
どちらを選んでもオーケーです。
それは何故か?
そういう時代だから。
服飾評論家的な解釈ではシャツは正確には肌着になります。
肌着にポケットなんてあり得ないだろ?という先生方もいらっしゃいます。
そこまで貫かれいる方は人前でジャケットを脱ぎシャツ一枚姿になることはありません。
約200年くらい前の価値観ではそうなるのです。
その肌着として生み出されたシャツが発展して現代のポジションになっていったといういきさつがあり、今ではシャツ一枚でビジネスをこなすようになり、もちろん夏季シーズンには半袖シャツも生み出されています。
ここまでの現代に通ずるスタイルになって約100年くらい経つでしょうか。
シャツはもはや肌着という価値観ではないというのがボクの考え方です。
このシャツが表舞台に立つようになって一世紀以上経ち、シャツの立ち位置は格上げされていきます。
アウター要素が必要になっていきました。
ワークシャツやミリタリー要件を満たす為にはポケットは必要ですからね。
ドレスシャツと言えども、近代においてはポケットは実用面において非常にパフォーマンスを発揮してくれているわけですから、シャツ屋さんに行けばほぼ100%ポケット付きで販売されているのであります。
オーダーシャツという視点では、このシャツが生み出された時代の歴史的ないきさつが重要視されがちですが、それはマナーでも装いでもなく、単なる自己満足でしかありません。
よってポケットの有無はお好みで大丈夫です。
視覚的な好みとしてポケットが無いほうがオーダーシャツっぽいという方がいらっしゃいますし、ある方が便利なのも事実です。
もっともポケットがあるからと言って、がっつりモノを詰め込んで良いわけではないのは言うまでもありませんよ。
実際にボクはどちらを選択して作成しているかと問われれば、どちらも作成しています。
特に理由はなく、好みで付けたり付けなかったりという感じです。
ホント好みです。
大事なのポケットの有無よりもサイズ感や、シルエット、トータルのバランスですからね。
- まとめ
シャツは肌着ですからポケットなんてあり得ないという時代は2世紀以上前に過ぎ去っています。
ですからあろうが無かろうが、どちらでも大丈夫です。
それよりも全体をちゃんとカッコ良くしていくこと、自分のブランディングや気持ちを高めてくれることを目的としたシャツを選びましょう。
これからの夏季シーズンをがっつり頑張れるシャツ、最高だと思いませんか?
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