ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
オーダーメイドという位置から作成するにあたりボクは何を一番大切に考えているのかというお話。
前にも同じようなことは何度も書いていると思うのですが、自分自身が忘れない為にも定期的に書いておこうかと。
- 数値よりも感性
オーダーメイドに限らず最終的な形となるモノに関しては数値が必ず必要になります。
これは当たり前で、ボクも最後は数値を導き出します。
その導き方には感性が大切だということ。
これは人によって分かれるとところではありますし、精密機器であれば感性云々ではなく正確な数値が求められるし、正しくないと大変なことになってしまいます。
では人間は着用するスーツは全て数値で決められるのか?と言えば必ずしもそうではないというのがボクの持論ですし、そのさじ加減が仕立屋としての腕の見せ所です。
何故なら人間には感情、感覚があり、さらには個としてみな独立した存在だからです。
群雄生物ではないですから、みんな個性があり、それは当然好みとして現れるわけです。
簡単に言えば、ただ採寸をしました。
その数値をそのまま入力しました。
それで完成した一着は果たしてベストなのか?ということです。
一般論であればそれでもオーダースーツですから、問題ないんでしょう。
各パーツを合わせているという意味ではね。
ZOZOスーツなどは今現在成し遂げられる限界の姿でしょう。
モジモジ君着て得られたデータを送れば良くて、あとはそのまま工場は作ればいいわけですから。
果たしてその数値通りに作れるかどうかは別問題として(ホントは無理なんですけど)、コンセプトとしては正確な一着になるはずです。
ではそうなのかというと、必ずしも完ぺきではないような状態ではないでしょうか。
まだ仕組みとして完璧に整備されていない仕組みということもあり、今後改善されるところもあるでしょうが、仮にもしそれが正確無比になった時には本当に最高の一着足り得るモノになるのか?というところに行き着くわけです。
これはスーツという服装に対する価値観が人それぞれ違うというまさに個性の問題が絡みますから、例えば標準体型向けの市販のスーツではサイズ的に合わないという体形の持ち主であったり、スーツを着用するにあたり、作業服的な使い方をせざるを得ない場合にはありがたい仕組みなんじゃないかと思えるわけです。
悪いことじゃないですよね。
そして、ボクの仕立屋としての仕事はどうかというと、そこが答えじゃない世界だということです。
精密な数値ならば、もう海外では3Dスキャンニングで体形を測る仕組みはすでにあります。
そうじゃないんですよね。
その数値をただデータ通りに当てはめない、この感性がキモなのです。
その数値と違うところに答えがある。
AIがどんなに進化しようとも、シンギュラリティが起ころうが、0と1だけの世界では割り切れない部分が人それぞれの感覚です。
- ちょうどいい
人によってちょうどいいと感じる部分って同じじゃないんですよ。
特に衣類に関しては同じ人はそんなにいらっしゃらないというのが長年のボクの経験上間違いなく言えることです。
似てる人はいらっしゃいますよ。
そのちょうどいいと感じる部分は必ずしも計測したデータをもとに導き出す数値とは限らんのです。
その心が求める感覚を読み解くのがボクの仕事だと思っていますし、それが答えなんだろうと日々精進しています。
モノとしてのオーダースーツ、単なるスーツで言えば世の中に溢れています。
そのモノとしてのスーツにも役目はありますし、求められていますし、数値を当てはめるオーダースーツもニーズはあるのは当然なのです。
ボクはそうじゃない人の為に全力を注ぎたいのです。
営業先でプレゼンを正しく伝えたいという想いをスーツと言う形でサポートしたい。
経営者としての立ち位置を正しく表現したい人をサポートしたい。
長年この世界で本当に多くの方をお見立てしてきて本当に結果を出す人、成功されている人が実際に表れ、そしてそこには共通した部分があるのを発見し、それをメソッドにしたのが営業支援スーツです。
このメソッドとは、決まりきった数値ではなくあくまでも対話から始まる感性がキーワードです。
出てきた数値とは違う答えを選択するのがボクの仕事というわけです。
そのちょうどいいという感覚を形にするというのはそういうことです。
その味付けの為にボク自身の感性もこれからも常に磨き続けていきたいと思います。
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