ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
ボクは仕立屋さんですが、リフォームや修理も受け付けています。
これはボクの仕立てたスーツだけではなくて、持ち込みも受け付けています。
そこで特に多い修理の一つが今回のタイトルの通りのパンツのトラブルです。
パンツのポケットにお財布を入れるのは止めよう!
ご存知の通りですが、ドレスパンツでポケットに入れても許されるのはハンカチのみですね。
特に現代のお尻のポケットはそれ以外のモノを入れることを想定していない構造になっています。
- ピスポケットって何だ?
ところで、お尻のポケットのことを通称ピスポケットと呼びます。
このピスとはなんでしょうか?
さてさて、分かりますか?
答え・・・
ピストル!
そう昔はこのポケットにはピストルを忍ばせていたのです。
どんな人がが忍ばせていたかは分かりませんけどね。
ということで、このお尻のポケットをピスポケなんて業界では呼んでいるのです。
ま、何が言いたいかと言うと、このピスポケットは元々はそれだけ収納できるユトリをもって作られていたということ。
そして、現代では考えられないような丈夫な生地で作られていたということですね。
当たり前ですが、現代のパンツにはピストルを入れるような構造的な余裕はない作りになっています。
もしあるように作ったとしても入れちゃダメですけどね。(というより所持もダメよ)
また素材、つまり生地そのものが当時とは比べ物にならないくらいにデリケートになっています。
柔らかさや光沢感、風合いの良さを求めるあまりに実用可能な耐久性を犠牲にしていく道をテキスタイル(生地)は選んできたからですね。
それが大衆レベルにまで浸透して今に至るワケですが、当然ながらそんな仕様のパンツにモノを入れれば即破けてしまうのは自明の理となるのであります。
- ドレスパンツとジーンズ類は違うものだと認識しよう
スーツのパンツなどをドレスパンツと言います。
これは元々丈夫で破れにくいというコンセプトが発祥のデニム生地を使ったジーンズとは違うのです。
ドレスパンツは破けて、色褪せていくのを楽しむパンツではありませんから、大事に履きましょう。
その為には何でもピスポケットにモノを入れるという習慣を変えるのが一番です。
特に男性はお尻にお財布を入れるという習慣がおそらく小中高校時代に確立していると思います。
この染みついた習慣を変えるのは少々時間がかかるでしょう。
でも、試しに一か月だけポケットにお財布を入れない生活をしてみて下さい。
案外すんなりと変わっちゃうかもしれません。
お昼ご飯を食べに行く時についついお尻に入れようとするところを手に持つだけにする。
そんなちょっとしたことでいいんですよ。
もう少し掘り下げると、手に持つということは今までお尻のポケットで隠れていた潰れて変形したお財布だとちょっと見栄えが悪くて恥ずかしくなりますよね。
すると今度はお財布をどうしようかと考えるはずです。
財を入れるものが見られても恥ずかしくないものに変わると、自然と所作しぐさが良くなります。
と、こんな感じでいいこと尽くめのループに入っていきます。
話逸れちゃいますから、戻しましょう。
破けたら元には戻りません!
映画やゲームの世界ではシーンが切り替わるたびに復活しますが、現実はそんなに甘くありません。
破けたり欠損した生地を元通りにすることは不可能なのです。
特に負荷のかかるポケットのカンヌキ部分がビリビリになってしまった場合はある程度妥協して補修をすることになります。
修理した部分が見えてもいたしかたなしと割り切る必要があります。
かけはぎという特殊な修理方法はこの部分には負荷がかかり過ぎて出来ないということです。
ですから、そうなる前に未然に防いだほうがシアワセになれますよね。
もし、それでも修理したい場合はボクにご相談くださいね!
とりあえず預かって見積もりから出しますからね!
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