ターナー(土方)です。
ボクは恵比寿で営業支援スーツというオーダーメイドスーツの仕立屋をしています。
カシミアを使った織物がありますよね!
そもそもカシミアってみなさんどんな生き物かご存知ですか?
今ではユニクロをはじめ様々な衣類、アクセサリーにまで使われていて、取るに足らない素材の一つにまでなっているように感じます。
が!
カシミアは本当に希少で、デリケートな素材なんですよ!
- そもそもカシミアって何?
これはカシミアヤギといって、山羊なんです。
一般的なウール(羊毛)は羊です。
似て異なる生き物なのです。
羊は様々な品種があり、また飼育出来る環境も南半球(オーストラリアやニュージーランドなど)などでかなりの面積を誇りますから非常に多く生産されています。
それはそれで素晴らしい素材なんですけどね。
この山羊と言うのは羊と違って同じように飼育して採取出来る生き物ではないんですね。
そもそもこのカシミアという名前はどこからきたかご存知でしょうか?
これはインドとパキスタンの国境付近にあるカシミール地方からきているのですね。
そのあたりの山岳地帯は領土問題的な不安定な地域ということもあり、カシミアヤギを飼育するにはなかなか難しいのでしょうね。
厳しい環境でなければ良質なカシミア素材にならないということもあり、非常にレアリティが高いのです。
そこで、そのカシミアヤギの飼育に適している地域が中国の内モンゴル自治区にあり、今では一大生産地になりそして今日に至っています。
- カシミアは年に一回しか採取出来ない!
カシミアは山羊ですから羊のようにどんどん毛が伸びるわけではないんですね。
厳しい寒さを防ぐために全身を覆っている剛毛とその内側にわずかに生えてくるうぶ毛。
このうぶ毛のみが極上のあの風合いの素材となりえるのです。
これが採取出来るのは夏毛に生え変わる手前の年一回のみ。
しかもうぶ毛ですから一頭当たり採れるのは片手で握れるくらい(150~200グラム)と極めて少ないのです。
年に数回刈り取れるウールとはまったく別物なのですね。
ちょっと考えてみて下さいね。
一頭200グラム採取出来たとして、コート一着分に必要な量はいったい何頭分になるんでしょうか!?
ね?
繊維の宝石と呼ばれる理由がお分かりになりましたでしょうか?
もっとも場所が場所だけに、毎年の生産量に対してなぜか流通する製品は数倍になるという謎の現象がおこり、真の価値が失われつつあるのは事実ですけどね。
ボクのような仕立屋さんが扱うのはキチンとしたカシミアですから、あの極上の風合いになります。
そのレアリティの高さの分、ウール製品に比べると高価にはなります。
その分幸せ感も最高に高くなりますけどね。
最後にYouTubeにそんなカシミアヤギさんの動画がありましたので紹介しますね!
そろそろ本当のカシミアでコートをいかがでしょうか!?
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